大学と専門学校の違い・就活の違い

「授業」と「就活」に絞って解説します

大学と専門学校の授業の違い

大学は
「規定の単位を取得」

大学は、授業ごとに単位が定められていて「規定の単位数を取得」します
学部・学科ごとに「必須科目」と「選択科目」があります

選択科目は、学生が「受けたい科目を選び」授業に出席して、試験やレポートを提出して一定の成績を納めると単位を取得できます

大学は単位を取得

専門学校は
「カリキュラムに沿う授業」

専門学校は、あらかじめ決められたカリキュラムに沿って授業がすすめられます
修業年限は2年以上、総授業時間が1,700時間以上(62単位以上)と定められています

「コース選択」で受けるクラスを分ける場合もありますが、授業内容は決められており、各学科とも「実習時間」が充実しています

同じクラス・コースの学生は「同じ時間に同じ授業」を受けます

大学と専門学校の違い

2026年度から実施予定の「単位制」移行について

授業スタイルの違い

授業の違い―比較ポイント大学専門学校
授業形態講義中心。大教室での座学が多く、学生の自主性に任されます座学もありますが実習が多い。少人数でのグループワークや実技のウエイトが高い
教員との距離基本的に学生が自分から質問・相談しない限り関わりは薄いですクラス担任制が多く、教師が学生の学習状況を日常的に把握(先生との距離が近い理由のひとつ)
学び方(自主性の求められ方)履修登録から学習計画まで自分で管理。単位を落としても自己責任ですカリキュラムが固定されており、指導のもとで学ぶことが多い

専門学校の方が、教員が日々の学習に関わる度合いが高く、「勉強しやすい環境」が整っているといえます

進級・卒業のサポート体制

進級・卒業サポート体制―比較ポイント大学専門学校
進級の基準原則は単位制。必要数の単位が取れていれば進級可能出席率・提出物・テスト成績など多面的に評価される
留年リスク自由度が高い分、サポートを受けにくい。自主的に学ぶことが苦手な学生は留年しやすい資格取得、技術向上に向け、授業の出欠も管理され、面談などでフォローがあるので留年しにくい
サポート基本的に自助努力が前提。困っても自分から動かないと支援が受けづらい。就活は「1社づつエントリーシートを提出する売り込み型」定期的に個別面談があるほか、日常で学生に声をかける習慣があります。就活は「学生1人につき数社~十数社のオファーが届くスカウト型」

専門学校では、進級や卒業に向けて「面倒を見てくれる」体制がある一方、大学では「放任型」になりがちです

このように
自分の学びたい分野を自分で選んで学ぶのが大学

専門的な知識や技術を集中的に学ぶのが専門学校です

大学は「学部・学科」に沿って自ら広く知識を得ていく学び方なので、学生主体で運営されています

専門学校は「資格取得」「知識・技術の向上」目標が明確なので、学生の面倒見のよいのが特色です

大学と専門学校授業の違い面倒見

きっかけや分野は人それぞれ

専門学校は都道府県の認可校です

主体的に学習に取り組める人は「大学に向いていると言えます」

大学の講義や研究は、自主性が求められるため、主体的に学習に取り組める人が向いています

大学は専門分野だけでなく、学習意欲の高い人には幅広い分野の知識を学ぶことができます

特定の職業に就きたい目標のある人は「専門学校に向いています」

専門学校は、特定の職業に必要な知識やスキルを集中的に学ぶことができます

実習や演習を通して、実践的な知識と技術を効率よく身につけることができます

自ら学ぶことが苦手な人は「大学向きではありません」

大学生の例として「単位が足りない」「単位不足で留年する」といった話を聞いたことはないでしょうか?

高校以上に、自分から積極的に学ばなければなりません

特に「選択科目」は自ら選ぶ科目なので、学ぶ意思がないとモチベーションが続かなくなることもあります

幅広い知識を身に付けたいひとは「専門学校向きではありません」

専門学校は、分野を絞り「資格取得」「知識・技術の向上」のために集中して学ぶ場です

特に目標を掲げずに広く知識を身に付けたい志向の人は専門学校には向いていないと言えます

大学と専門学校の就活の違い

専門学校と大学の
就職活動の大きな違い

簡単にいうと
専門学校には学生1人に対して多数の企業から求人が来るのに対して

大学は学生自ら1社づつエントリーシートを提出します

専門学校には、それぞれの業界から毎年、学生1人につき数社~十数社の求人依頼(オファー)が届きます!
つまり、スカウトが来る就活です!

大学は、学生が自ら就職情報サイトなどを通じ1社づつ企業にエントリーシートを提出し、審査に通ると次に進める(売り込み型)の就活です

専門学校の就職は企業から直接求人が多い

専門学校と企業との間で連携が深く、企業から専門学校に対し「専門学校で学んだことを活かす」直接求人票(求人依頼)がメインです

学内で開催する就職説明会も

学校が複数の企業を招いて、就職説明会を開催し学生に求人情報を説明する機会もあります
業界と信頼の厚い専門学校の就職活動の一面です

就職指導室(キャリアセンター)

学生と企業の窓口になっているのが、就職指導室です。学生だけでは企業の待遇面などの見極めが困難な場合、学生に代わり企業と交渉することもあります

大学は就職情報サイトなど間接求人が多い

一部の大学では、専門学校同様に企業から求人依頼の届く場合がありますが、基本は「学生の個人応募」。自ら業界や企業、職種を絞り込みます

※専門学校は、企業から直接来る求人

就職指導室(キャリアセンター)

専門学校と同様に学生と企業の窓口の役割です。
就職活動のアドバイスやサポートを行います。
専門学校と比べて「業界や職種は多種多様」です

大学は就職情報サイトで自ら企業にエントリー

大卒採用企業は「○○ナビ」などの大規模な就職情報サイトを通じて、学生からエントリーを受け付け、面接に至る前に書類選考で振り分けられます

求人サイト経由の売り込み型就活

就活の違いのまとめ

大学の就活は
「間接型」「売り込み型」

大学の就活は、学生自ら1社づつ進学サイトなどを通じて「エントリーシート」を提出して、企業の選考を受ける「売り込み型」の就活です

求人の多くは「進学サイト」経由の「間接型の就活」になっています

2025年3月発表の大学生の就職率は92.6%で過去最高ですが、それでも専門学校より低い数字です

専門学校の就活は
「直接型」「スカウト型」

専門学校の就職活動は、企業から学校に「求人依頼(オファー)」が届く「スカウト型」の就活です

企業の信頼が厚いので、求人依頼は企業からダイレクト「直接型の就活」です

さらに、学生1人に対して数社~十数社の求人が届くため、就職率ほぼ100%です

生活面での支援

生活面での支援―比較ポイント大学専門学校
学生相談カウンセラーはいるが、利用は学生の任意です教職員が日常的に相談役になってくれることが多い
日常の「声かけ」なども教職員で行っています
アルバイトとの両立授業が自由に組めるため、自分で管理しないとアルバイト中心の生活にもなりやすいアルバイトしている人もいますが、週に決められた時間授業があるので、規則正しい生活が求められます
コミュニティ形成クラブ活動・サークルなど自主的な参加が中心同じ目標(資格・技術の向上)を持った人が集まり、さらにクラス単位のため、友人関係が自然とできやすい

全体のまとめとして面倒見の良さを重視するなら専門学校

専門学校:管理型で、教師が近くにいてサポートしてくれる

大学:自由度が高く、自己管理が求められる

特に、高校まで「先生が声をかけてくれる」環境に慣れていた生徒にとっては、専門学校のほうがスムーズに移行できることが多いです

高校生・保護者様は資質に沿った進学をご検討ください

大学全入時代は、学歴より学習歴の時代です

「大学に合う人」「専門学校に合う人」は人それぞれです

どの道に進んでも、本人の努力は必要ですし、勉強することや周りの人との協力も必要です

本当にやりたいことを考えて、あなたが伸びる進学ができるよう応援しています

著名人のメッセージ

君の強みは必ず好きなことの中にある

これはUSJのV字回復・沖縄新型リゾート「ジャングリア」の立ち上げでも有名なTV出演もしているマーケター森岡毅さんの言葉です
やる気や自信のない人も好きなことと向き合ってみることを勧めています


「やれば伸びる」

これは『ビリギャル』著者で人材育成評論家の坪田信貴さんの言葉です
「やってみてできなくても、ちょっとでも成長してる。だからそれで成功だ」
と云っています

どちらも勇気をもらえるメッセージです

進学も再スタートも確実に開く未来

きっかけや分野は人それぞれ

・専門学校は「やりたい仕事」で選ぶので偏差値基準はありません
・同じ目標をもつ学生が集まりクラスの一体感が大学と違います
・スポーツに例えると学生が選手、先生がコーチのような関係です
学費の分納制度は多くの学生が利用しています
・専門学校は企業から直接「求人オファーが届く」スカウト型です
・専門学校は就職率ほぼ100%

専門学校は都道府県の認可校です
関連記事

偏差値30台40台から大学指定校推薦の注意点

高校の進路指導は高校生にリスク!? 大学退学者が増えている背景

専門学校の学歴は「専門学校卒」

このサイトのTOP

その他の記事

2026年度から単位制に移行
専門学校→大学編入しやすく


専門学校で取得した単位を大学で認定

文部科学省は2026年度から専門学校の単位を大学で認定しやすくする「単位制」に移行します

この制度により、専門学校で取得した単位が大学編入時に認められるようになり、専門学校から大学編入がスムーズになります

これにより、専門性と学術性を組み合わせた学びが可能となり、柔軟なキャリア形成が促進されます

進学の選択肢が広がることで、高等教育の新たな可能性を引き出す制度改となることが期待されています

全ての専門学校に適用されるわけではない

大学が認定する専門学校や特定のカリキュラムが対象となる可能性が高く、専門学校の教育内容が大学の単位認定基準を満たす必要があります

適用範囲や対象校については、文部科学省の詳細な基準設定が今後発表される予定です

編入は、大学の3年次または2年次に編入する形が一般的ですが、編入可能な「年次」は専門学校で取得した単位数や学習内容によって異なるため、受け入れ大学ごとに判断される仕組みになると予測されます