進路指導はまるでテレビのニュース番組のようです。毎年、同じような視点で“ニュース”が流れています。『大学進学が正解』というメッセージが、まるで偏った報道のように強調される中、他の進路選択肢があまり取り上げられません
例の「大手芸能事務所スキャンダル」も最初は様子見
世間を騒がせた「大手芸能事務所のスキャンダル」は、イギリスのBBC放送が特集してもしばらく日本のテレビ局は扱いませんでした。Youtuberの発信で世間の関心が高まり、ようやく放送に踏み切ったことは記憶に新しいはずです
高校をテレビに例えると「進路指導は大学偏向報道」?
テレビの情報番組が、“意図的に”特定のニュースや話題に焦点を当てるように、高校の進路指導も、“意図的”に大学進学というルートに重点が置かれがちです
大学進学に関する情報は手厚く提供される一方で、専門学校、就職、留学、起業といった他の選択肢については、情報量やサポート体制が十分とは言えない場合もあるでしょう
テレビが視聴率の取れそうな話題や特定の意見ばかりを取り上げることで、他の重要な情報が埋もれてしまうように、高校の進路指導も、大学進学という「特定の情報・一方的な情報」にばかり目を向けさせ、他の「知っておきべき情報」の存在や魅力を十分に伝えられていない、という見方もできます
生徒一人ひとりの個性や適性、将来の希望は多様であり、それぞれの進路選択を尊重し、適切な情報を提供することが、高校の進路指導の重要な役割ではないでしょうか

このようなイメージです
高校 | テレビ局 |
進路の情報提供 | ニュース番組 |
情報の内容 | 大学進学を推し |
もう少し展開すると
高校では | テレビでは | 放送内容 |
高校生・保護者 | 視聴者 | “ウケのいいニュース”を流す |
進路指導の先生 | コメンテーター | 自分の立場・高校の価値観で話す |
大事な多様な意見 | 専門学校などの情報 | カットされがち |
本来“個人を尊重” | “組織の論理”優先 | “大学偏向”放送内容 |
「大学進学偏向報道」の裏にある問題点
テレビの報道が視聴率を重視し、刺激的な話題を優先するように、進路指導も大学進学という”ヒット“を追い求めているのではないかと思います
進学実績が学校の評価に直結するため、先生たちは自然と大学進学を推すようになります
学校長の「今年の大学進学目標は何名!」の大号令のもと、現場の先生は大学進学を積極的に勧めているのが現実です
目標を掲げることが悪いということではなく、受験科目の勉強が不得意な生徒に対しても「大学、大学」と大学進学を勧めていることが問題だという話です
実際、Fランク大学、ボーダーフリー大学の退学率は、大学全体の退学率の倍以上と指摘されています
実際、それが生徒一人ひとりの個性や才能を無視してしまうリスクを伴っています

若者のテレビ離れでわかる“個人尊重”の生き方
YouTube、Netflix、Amazon Prime Video、Hulu、などの動画配信サービスの普及により、自分の好きな時間に好きなコンテンツを視聴するスタイルが一般的になりました
スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスで視聴できるため、場所を選ばずにコンテンツを楽しめます
移動中やスキマ時間など、ライフスタイルに合わせて視聴できる点が支持されているのも“個人を尊重する生き方”の現れではないでしょうか

通信制高校生が増えているのも、同じ理由かもしれない
実は、高校生の進学先だけじゃなく、高校の選び方にも同じ流れが見えてきます
通信制高校に通う生徒が、いま10人に1人いるとも言われていて、年々増加中。その理由も、一昔前のように「不登校だから仕方なく」とういうわけありません
18歳人口が低下しているにも関わらず、通信制高校に進学(編入・転入)する人は年々増えています
そこには“全日制高校”では満たされなかった“もっと大切なもの”があるからです
「自分のペースで学びたい」「働きながら高校卒業を目指したい」「人間関係に縛られずに、自分らしく過ごしたい」――そんな、自分を大切にする選択として通信制高校を選んでいる人が増えています
つまり、Z世代はすでに“個人を尊重した学び方”を求めていて、それが高校でも、進学先でも、確実に現れはじめているということです

「進路=大学」のチャンネル、切り替えませんか?
「高校を出たら大学に行くのが当たり前」っていう進路指導、どう思いますか?
Z世代と呼ばれる今の10代後半〜20代前半の若者たちは、「なんとなく大学に行く」ことに“本当は”疑問を持ちはじめていると思います
保護者の世代にあった「大学を出ればいい会社に入れて、安定した人生が送れる」なんて保証もないですし、それよりも「自分が本当にやりたいことに近づけるか」を大事にしています
そんななかで、偏差値の低い大学、いわゆる“Fラン大学”“ボーダーフリー大学”は「仕方なく進学する場所」のようになりつつあります
一方で、専門学校は「資格やスキルを追いかけたい人が選ぶ場所」となっています

Fラン大学は偏差値の低い人が行く・専門学校は高い人も行く
今は「どこに通ってるか」よりも、「どう学んでいるか」「何を学べているか」の方が大事な時代です
「自分らしくいられる場所かどうか」 「将来につながる実感があるかどうか」
そこを重視して進路を選ぶ傾向が強くなっています
SNSや動画で世界がすぐに広がる時代。大学の肩書きだけじゃなく、「自分が何を学び、何ができるか」が見られる時代になってきています
だからこそ、自分らしく学べる場所として、専門学校や通信制高校のような“個に寄り添った学び”が評価されてきているのです
「Fラン大は偏差値の低い人が行く」 「専門学校は偏差値の高い人も行く」
今起きているこの逆転現象は、Z世代の価値観の変化を象徴しています。
今、気づかなければならないのは「大学はOK」「専門学校はダメ」と決めつけることではありません
高校の進路指導や、保護者は、一人ひとりが「これが自分に合っている」と納得して選べるように、正しい情報と選択肢を示してあげることです
Z世代は、“選ばされた進路”じゃなく、“自分で選び取った学び”を求めています

「大学偏向報道」に対抗するため多様な情報共有を!
大学進学一辺倒ではなく、もっと多様な選択肢を知ることが大切です
例えば、専門学校。これらの道も、実は非常に有望で成功を収めている人たちがたくさんいます
進路指導における“大学偏向報道”に対抗するために、周りの大人ははもっと多様な情報を生徒たちに届けるべきです
進路選択は大学進学だけに限らない。自分自身がどの道を進むかを考え、未来の可能性を広げるために、多様な視点を持つことが大切です
進学も再スタートも確実に開く未来
専門学校は都道府県の認可校です |

読者対象
最新記事
- 大学中退は「終わり」じゃない──専門学校で広がる可能性
- 高校進路指導の問題点──それって進路ガチャじゃないの?
- 指定校推薦で大学、退学_次こそ自分で決断する“本当の進路”
- 進路は自分で決める!指示待ち人間 にならないための第一歩
- 選んだつもりで選ばされている大学進学になっていませんか?
- 専門学校はいつまで入れる?知らないと損する、手続きの時期
- 高校生「やりたいことがない」のではなく、「言えないだけ」かも
- Fラン退学する人、専門学校で伸びる人、子どもに合う進路とは?
- 高校1・2年生の進路選び、親子でチェック指定校推薦の”注意点”
- 指定校推薦の退学_進路指導で教えてくれない“退学者”の話
- Fラン大学進学は本人の意思次第_ 「入れればいい」は危険です
- 指定校推薦の裏側―「大学と高校」の”事情により”退学者が増加
- Fラン大量産“私大バブル”崩壊で─気づき始めた高校生と保護者
- こんなことなら、大学じゃなくて、専門学校に行けばよかった
- 指定校推薦の退学者が増加中_高校と大学の”取引”に生徒は不在
- 指定校推薦の被害「大学進学のカラクリ」─誰のための進路指導か
- 高校1年で知っておきたい“とりあえず大学”の落とし穴
- 大学辞めたい人が急増中_半期学費の支払いが生じる前に手続き
- 「とりあえず大学」の発想は本当に危うい
- 進路が決まらない高校2年生へ──あせらず出会う進路のヒント
- 大学を辞めた後「何を学べばいいかわからない」人への進路ガイド
- 大学と専門学校、オープンキャンパスで見える「親の関わり方」の違い
- 専門学校の入試_大学と違う?試験内容・時期などわかりやすく
- 将来やりたいことがない高校生へ─進路の考え方と選択のヒント
- 専門学校 入試問題レベル_難易度?勉強は必要?
- 大学中退は親泣かせ?親の気持ち_心配は当然・次どうするの?
- Fラン大学進学は、就職やキャリアに不利になる可能性がある?
- 入ってから「大学向いてない」と言う人が激増中_事前にチェック
- 大学辞めてどうする?─「次の一歩」の考え方とスケジュール
- 指定校推薦デメリット_大学進学前に親子で確認したいこと
- 大学を辞めた後――タイプ別で見る「あなたらしい進路」
- 『大学についていけない…』と感じたら読む記事_不安・中退・留年・辛い
- 専門学校に行くメリットを、まだ誰もちゃんと教えてくれない
- 高校生したいことリスト_まとめ方のヒント
- Fラン大学行きたくない・続けられるか不安と思ったら読む記事
- ITおすすめ資格10選_初級・中級・上級
- アイリスト 資格 働きながら免許を安く_美容専門学校 通信課程
- 大学辞めた後、就職or専門学校の2択_今の実力ならどっち?
- 企業から求人オファーが来る!専門学校の就活界隈
- 氷河期世代の子供(Z世代)の君へ 「自分らしい」進路の見つけ方
- 大学中退から逆転!IT専門学校で叶える“自信と実力”の武装
- 美容専門学校「通信」・アイリストも・学費安い・昼間部との違い
- 【大学退学手続き】用紙もらい方・出し方・いつまで・親の捺印
- IT資格いらない?意味ない?業界が求めるおすすめ資格10選
- 【社会人から専門学校】手続き・お金・入試・4人に1人が社会人
- スポーツを支える・動かす仕事!!語学×ビジネスという選択肢
- 未経験でもゴールが見える専門学校━行くメリット
- 大学中退_各種証明書・単位引継ぎ━申請期限、有効期限の解説
- 子どもが大学をやめたとき_親ができること、本人ができること
- 今、”目指すのは”空港・ホテルの仕事-2年後、希望の制服を着る
- 大学中退=失敗・逃げじゃないよ!合わない道を降りるのも進路
- 大学辞めたい・合わない・退学手続き・向いてない人もいます
- 【美容師免許の取り方】最短で2年・試験内容・学校紹介
- 大学指定校推薦_うつ、退学、親の安心で子どもが苦しむことも
- “個人尊重”の時代、世界の適性進学と日本の進路の大きな違い!
- 専門学校卒が最前線で活躍しているホテル業界のリアル
- IT・情報系専門学校は意味ない?_AI時代でも意味がある理由!
- 高校をテレビに例えると進路指導は大学偏向報道じゃないの!?
- 就職氷河期世代が親として向き合う子ども(Z世代)の進路
- Fラン大・ボーダーフリー大の退学率は高い!?その背景にある要因とは
- 高校生進路希望調査【本人欄】書き方と例文
- 大学全入時代は大学入試たたき売り時代か!?年間12万人超が離脱する、ミスマッチ進学の代償
- 指定校推薦で入った大学を退学する際の注意点・謝罪は必要?
- 子どもたちの「できた!」がやりがい_感動の毎日 保育士・幼稚園教諭
- 【通信制 専門学校】どんな学び方?分野・資格・学校紹介
- 偏差値30台40台から大学指定校推薦の注意点
- 最高の1日を演出する ホテル・ブライダル・美容師・アイリスト
- 特色ある学科・学び方の専門学校
- アイリスト資格は美容師免許!最短2年マツエクも美容専門学校
- 大学と専門学校の違い・就活の違い
- 専門学校面接対策:よくある質問、回答例、好印象マナーを解説
- 高校生進路希望調査【保護者欄】書き方と例文
- 専門学校卒業 学歴は【専門学校卒】_「学歴に入らない」は誤り
- 大学辞めたい 親に言えない
- 「大学中退の最終学歴」は高校卒業・履歴書は「中途退学」と記載
- 専門学校の入学方法_入試の種類・入学資格・入学までの流れ
- フリーターから専門学校のメリット・確認点をわかりやすく紹介
- 専門学校のオープンキャンパス何する?
- 子供が「大学を辞めたい」_親の気持ち・何を伝える・次どうする
- 子どもの「大学辞めたいサイン」見逃していませんか?