大学中退者の今――8つのそれぞれのストーリー
毎年5万が大学を中退しています。指定校推薦や総合型選抜で進学のチャンスが広がった一方、「思っていた大学生活と違う」と感じる人も増えています。大学を辞めた後、それぞれの道で頑張っている8人の体験を紹介します。
【男性4名】
大学に入ったきっかけ
高校の評定平均3.5で指定校推薦の枠があり、私大の情報系学部へ。先生に「これからはITだよ」と勧められ、なんとなく選びました。
辞めた理由
プログラミングの理論の授業に興味が持てませんでした。アルゴリズムとか数式ばかりで、「これが何の役に立つの?」と思ってしまって。課題を出せないまま単位を落とし続け、1年半で辞めることに。
今どうしてる?
IT系の専門学校に入り直しました。大学の理論中心の授業と違って、業務システムの要件整理や、AIツールを実務に落とし込むための知識を実践的に学べたのが良かったです。今はIT企業で、他社の業務にAIツールを導入するコンサルティングの仕事をしています。クライアント企業にヒアリングをして、どの業務をAIで効率化できるかを見極め、ChatGPTやClaudeなどのツール導入から社内への使い方の定着支援まで担当しています。「専門学校でAIツールを実際に触りながら学んだから、今クライアントにも自信を持って提案できる」と話します。
大学に入ったきっかけ
部活を頑張っていたので、総合型選抜で私大の経済学部に合格。親も喜んでくれて、「大卒なら安心」と思っていました。
辞めた理由
正直、勉強が好きじゃなかったのに大学に行ってしまいました。授業がつまらなくて、バイトばかり。気づいたら出席日数が足りず、2年生で辞めました。
今どうしてる?
福祉施設でアルバイトをしながら、公務員試験の勉強をスタート。専門学校に1年通って、市役所の試験に合格しました。今は福祉課で働いていて、「人の役に立てる仕事が自分に合っている」と感じています。
大学に入ったきっかけ
評定平均3.2で指定校推薦の枠に入れたので、私大の社会学部へ。親に「大学くらい出ておきなさい」と言われて進学しました。
辞めた理由
高校の時からYouTubeやTikTokを見るのが好きで、自分でも動画を作ってみたいと思っていました。でも親の反対で大学へ。授業に興味が持てず、映像の仕事がしたい気持ちが強くなって、1年で辞めました。
今どうしてる?
映像制作の専門学校に入り直して、編集技術や撮影スキルを習得。今は制作会社で企業のプロモーション動画などを作っています。「自分のやりたいことを見つけられて良かった」と前向きに語ります。
大学に入ったきっかけ
高校の担任に勧められて公募推薦で私大の法学部に合格。「法律を学んでおけば潰しがきく」と考えて進学を決めました。
辞めた理由
六法や判例を読み込む授業が中心で、暗記量の多さについていけませんでした。将来何に使う知識なのかイメージが持てないまま単位を落とし、2年生の秋に休学、そのまま中退を決めました。
今どうしてる?
「一生使える資格を持っておきたい」と考え、ビジネス系の専門学校へ。宅地建物取引士(宅建士)の資格取得を目指し、在学中に一発合格しました。今は不動産会社で、物件の重要事項説明や契約手続きを担当しています。「大学の法律の授業は苦手だったけど、実務に直結する資格の勉強は不思議と頭に入ってきた」と話します。
【女性4名】
大学に入ったきっかけ
作文が得意だったので、総合型選抜で私大の文学部に合格。本を読むのが好きで、なんとなく文学部を選びました。
辞めた理由
文学研究のレポートが難しくて、専門的な分析が求められて。周りはみんな賢く見えて、自分だけついていけない感じがしました。授業にも行きづらくなって、1年半で辞めました。
今どうしてる?
契約社員として働きながら、通信制大学で勉強し直しました。自分のペースで学べるのが良くて、4年かけて卒業。今は物流会社で業務管理の仕事をしています。「大卒の資格があると、就職の選択肢が広がった」と感じています。
大学に入ったきっかけ
評定平均3.8で指定校推薦があり、私大の心理学部へ。「カウンセラーになれるかも」と期待していました。
辞めた理由
心理学って、統計とか実験とか、思っていたのと全然違いました。授業についていけなくて、テストも赤点ばかり。人の心に寄り添う仕事がしたかったのに、これじゃないって思って2年生で辞めました。
今どうしてる?
作業療法士の専門学校に3年通って、国家資格を取得。今はリハビリ施設で働いています。作業療法士は体のリハビリだけじゃなくて、心のケアもできる仕事。患者さんと向き合いながら、「これが自分のやりたかったことだ」と実感しています。
大学に入ったきっかけ
総合型選抜で私大の経営学部に合格。将来カフェをやりたいと思って、経営の勉強をしようと考えました。
辞めた理由
経営学って数字や理論ばかりで、全然面白くなかったです。本当は料理が作りたかったのに、授業が苦痛で。1年生の終わりに「もう無理」と思って辞めました。
今どうしてる?
調理師専門学校に入り直して、調理師免許を取得。今はレストランで働きながら、いつか自分のお店を持つ夢に向かって頑張っています。「遠回りしたけど、今が一番充実している」と語ります。
大学に入ったきっかけ
高校時代に英語は好きな科目で、英語力を活かせる仕事に就きたいと一般入試で私大の外国語学部に合格しました。
辞めた理由
実際に入ってみると、授業は文献読解や翻訳理論が中心で、思い描いていた「話せるようになる英語」とは違いました。留学制度も費用が高くて手が出せず、モチベーションが下がってしまい、1年生の終わりに辞めることに。
今どうしてる?
英語専門学校に入り直し、実践的な英会話やTOEIC対策、接客英語を集中的に学びました。今は旅行会社でインバウンド対応のツアーコーディネーターとして働いています。「大学の授業より、専門学校の方がずっと『使える英語』が身についた」と話す一方、「将来的には英語力を活かして、通訳や海外担当としてスポーツ業界で働くのが夢」と目を輝かせます。
大事なのは「辞めた後、どうするか」
就職の道
ITや福祉、販売、物流など、未経験からスタートできる仕事はたくさんあります
専門学校の道
資格やスキルを身につけて、手に職をつけることができます
大学の道
通信制大学や編入など、自分のペースで学び直すこともできます
あなたに合った道を見つけるために
まずは選択肢を知ることから始めませんか?
大学で奨学金や修学支援新制度を使っていた方でも、専門学校で再申請できます。学費の分納制度と併用も可能です。
























