6月、高校では三者面談が始まります。「うちの子の進路、このままでいいのか」と、改めて考え始める保護者も多い時期です。
そのタイミングで知っておいてほしいことがあります。
テレビが毎年5月に報じる就職率。「2026年3月卒の大学の就職率98%」。この数字はウソではありません。ただ、伝えていない数字があります。 高校卒・専門学校卒も同じく98%以上——文科省・厚労省のデータにはっきり示されています。
進路を決める前に、揃っている情報を見てください。
毎年春、テレビは「大学の就職率」だけを伝える
5月になると、テレビのニュースは一斉に報じます。
「今年の大学卒業生の就職率は98%、売り手市場が続いています」
この数字はウソではありません。でも、伝えていない数字があります。
高校卒業生の就職率、専門学校卒業生の就職率。これらはほとんど報道されません。
全学校種の就職率を並べてみると
文部科学省と厚生労働省が共同で実施した最新調査(令和7年度・2025年)の結果です。
| 学校種 | 就職率(高い順) |
| 高等専門学校(高専) | 99.2% |
| 専修学校(専門課程)=専門学校 | 98.6% ※実際はこちらも高い |
| 高校卒 | 98.0% |
| 大学(学部) | 98.0% ※テレビ報道のメイン |
| 短期大学 | 97.4% |
出典:文部科学省・厚生労働省「令和7年度大学等卒業者の就職状況調査」「令和7年度3月高等学校卒業の就職状況調査」
大学だけが特別に就職に強い、というデータは存在しません。
なぜ「大学の就職率」だけが報道されるのか
- テレビの視聴者層(親世代)に響く話題として大学が選ばれやすい
- 文部科学省の発表フォーマットが大学中心で組まれている
- 高校が大学進学を推す構造と、「大学就職率」報道の方向性が一致している
こうした構造が重なり、毎年同じ報道が繰り返されています。
ひとつ知っておいてほしいこと
テレビが報じる大卒就職率98%という数字は、卒業時点で就職を希望した学生の割合です。
在学中に退学した学生(年間約5万人超)や休学者(年間約6万8,000人)は、この数字には含まれていません。
ネットで大きく報道されていた「大学指定校推薦の退学者が増えている」ことなど、一切反映されていない数字なのです。
つまり「大学に行けば98%就職できる」ではなく
「大学を卒業できて、就職を希望した人の98%が就職できた」という意味です。
保護者へ
「やっぱり大学に行かないと就職できない」と思っていませんか。
データを見れば、高校卒も専門学校卒も、就職率は大学とほぼ同じです。大切なのは学歴よりも、お子さんの特性に合った進路かどうかです。
三者面談の前に、この数字をぜひ共有してください。
高校生へ
大学進学が「正解」という空気は、学校にも社会にもあります。
でも数字は正直です。専門学校や高校卒でも、就職率は変わりません。自分に向いている学び方、身につけたいスキル、なりたい仕事から逆算して進路を考えてみてください。
大学を辞めようか迷っている方・大学を辞めた方へ
退学したら新卒で就職できないのでは、という不安があるかもしれません。
専門学校への再進学という選択肢があります。資格やスキルを軸にした就職活動は、大学卒業を待つよりも早く、自分らしいキャリアをスタートできる場合があります。






















