大学の指定校推薦で入学した学生がうつ状態になり退学に至るケースは、実際に一定数存在してるようです
特に、偏差値の低い高校生が「指定校推薦」で進学した場合は注意が必要です
大学を退学しそう、大学を退学した
━━どちらもサポートが必要です

指定校推薦で進んだ後、なぜ子どもが壊れるのか
指定校推薦は「安心な進学ルート」と思われがちですが、実際は、入学後にメンタル不調や退学する事例があります
推薦で入れるなら、と進学した子どもが、入学後、
「勉強について行けない」
「大学に行く気がしない」
「気分が落ち込む」
このような状況になってしまう例は、けっして特別な話ではありません
原因の多くは
「大学で学ぶことが本質的に適していなかった」ことが大きいようです
それは、思っているよりずっと大きなダメージを与えています

今の子どもは親の世代より繊細でまじめ
今の高校生は、SNSや他人との関係に敏感で、「場に合わせる力」に長けていますが、幼少時から「自分の力が評価される競争」に慣れていないこともあり、「自分に合わない場所」に強いストレスを受ける性質を持ち合わせているようです
よく「最近の若者は打たれ弱い」と言われますが、このような背景も関係しているのではないでしょうか
大学進学においても「周りは勉強して入ったのに、自分は指定校推薦で勉強しなくても入れた」
そんな心理的な背景が、勉強や人間関係などの自信を奪っていくのかもしれません

指定校推薦の入学後のギャップ
指定校推薦入学者は、一般入試と比べて早期に進路が決まるため、以下のような「入学前後のギャップ」を感じやすい傾向にあるでしょう
・入学して燃え尽きる(いわゆる「燃え尽き症候群」)
高3秋に進路が確定し、残りの高校生活が「目標喪失」状態になりがちで、そのまま大学に入学しても「目標」がなく気持ちが切り替わらない
・学力差へのプレッシャー
一般入試組に比べて、学力・学習習慣に差があると感じ、劣等感を抱くケースがあります。高校時代、偏差値の低かった人の中には、学習が苦手な人も多いのは事実です
・「期待に応えなければ」というプレッシャー
高校の推薦枠を使った責任感や、親・教師の期待からくる精神的負担が大きいこともあります

大学生活で気持ちが落ち込んでしまう
食欲がない、眠れない、疲れやすいなどちょっとした変化があります
“気持ちが落ち込む”きっかけ | |
要因 | 内容 |
大学に適応できない | 環境の急変(大学の学習スタイル、人間関係、勉強の自己管理)にうまく対応できず、心身が不調になる |
学部・学科に戸惑い | 入学前に思っていた内容と違うなどの食い違いによる、意欲の低下 |
孤立感 | 知り合いがいない大学で友人ができず、相談相手もなく悩みを抱え込む |
自己否定感 | 「自分は指定校推薦で入った」「実力が足りない」と思い込むことで自己肯定感が低くなり、自己評価が下がる |
無気力感 | 学ぶ目的が明確でなかった場合には、大学生活に意義を見いだせず無気力状態になる |
親の「安心」で選ぶと子どもが「苦しむ」ことも
18歳人口が減少しているにも関わらず、大学数は増え、私立大学の6割が定員割れの状態です
定員に満たない大学、人気のない学部は
「偏差値の低い高校に対しても、指定校推薦の枠」を提示しています
つまり、一人でも多くの学生を獲得する“学生募集の営業活動”です
事実上「入試が手続き化」しています
提示を受けた高校側も「うちの高校から大学進学実績を増やせる」と、三者面談などで「今なら、この大学に行けます」と話を持ち出すのはよくあることです
保護者も「せっかく推薦がもらえるなら」「合格が確実なら」という判断で進める進路が、子どもを結果的に苦しめてしまう場合もあります
本人が「大学はどういう場所で、その学部・学科で何を学ぶのかを理解しているか」はもちろんのこと、
保護者も「子どもの資質、学力、意欲で大学で続けられるか」を、
「進学の判断基準」にしなければならないのではないでしょうか

「適性進学」を考えるいい機会
「高校生」「大学を退学しそうな人」「大学を退学した人」「保護者」の全ての方が「適性進学」について考える機会でしょう
大学は、高校のように、手取り足取り、お尻をたたきながら、ではありません
ですから、指定校推薦で進学した場合、何から手をつければよいのか、自分を見失ってしまうこともあります
その結果、様々な要因で「うつ状態」になることも例外ではありません

全ての人に考えてほしい「適性進学」
指定校推薦で「心身の不調」「無気力」「うつ状態」「退学」を防ぐためにも、「適性進学」について子どもと一緒に考えることが大切ではないでしょうか
選択肢のひとつが専門学校
専門学校には、偏差値という概念がありません
よく「偏差値がない=勉強しなくていい」と思う人がいますが、それは誤解です
専門学校に偏差値がないのは「目的で選ぶ」からです
その証拠に
俗にいうFランク大学には「偏差値の低い人」しか入学しませんが、
専門学校には「偏差値の高い人」も入学します
さらに、専門学校の新入生は4人に1人(25.6%)が大学を中退した人や社会人など「高校既卒者」です
全員「資格取得」「技術や知識の向上」の同じ目標に向かって一緒に学んでいます
専門学校は、大学と比べると「面倒見のよい教育機関」です
クラス単位でカリキュラムに沿って学ぶスタイルは、高校に近いイメージです
子どもの未来を、広い視野で一緒に考える「進路デザイン」に「適性進学」という価値観を共有することは今のような閉塞感を感じる社会において重要な視点ではないでしょうか

うつで「大学を辞めた場合」はどうすればよいか?
まず大前提として「人生はやり直せる」
指定校推薦で入った大学を退学しても、「人生が終わった」わけではありません
「すべての可能性がゼロになった」わけでは決してありません
心と体を回復させたうえで、新しい進路を見つけることは十分可能です
大切なのは、「今の状態を責めることではなく、ここからどう切り替えるか」を一緒に考えることです

新卒社会人の3割が3年以内に転職する時代です
新卒で就職しても3年以内に3割以上が様々な理由で離職している時代です
企業側も25歳以下までを第二新卒として通年採用するなど、若手人材に対する考え方は大きく変化しています
ですから「立て直す時間」は十分にありますし、「受け入れる企業」もあります
まずは心と体の回復に集中してください
子どもがまずすべきこと「回復に集中する」
うつは心の風邪と言う人もいますが、決して軽く考えない方がいいでしょう
自己判断せず、保護者と相談の上、医療機関のサポートを受けることも手段です
【かかりつけの内科で大丈夫】
うつ状態の医療機関というと、心療内科、精神内科やメンタルクリニックなどを思い浮かべると思いますが、かかりつけの「内科」でも相談できます
かかりつけの先生であれば、初期段階の相談窓口としてハードルも低く、安心して受診できるのではないでしょうか

とにかく自分を責めず、一度立ち止まって休むことが最優先です
焦らず、自分のペースで元気を取り戻すことが第一歩です
保護者ができること「安心できる環境を整える」
・「退学=失敗」と思わない、思わせない
・「あなたが大事、信じる」というメッセージ
・就職や進学のことを焦らせない(焦って動くとプレッシャーになります)
親として不安になるのは当然ですが、子どもにとっては「信じてくれる人がいる」という安心感が何よりの支えになります
親として自分と向き合い、子どもと向き合ってください

回復後の選択肢「いくつもある」
“気力”は計れませんが、“少しでも気持ちが前向きになること”が回復のサインです
うつ状態が回復してきたら、進路の再構築を考える気力も戻ってきます
【今できることから始めましょう】
・別の大学に入り直す(編入・再受験含む)
・専門学校などで興味のある分野を学び直す
・アルバイトなどを通じて社会経験を積む
・就職することも選択肢
特に専門学校は「再スタート組」も多く、大学中退者も増えています
希望する業界があれば、専門学校経由で新卒就職を目指すルートもあります
専門学校の就活は、学生1人に対して数社~十数社の企業からオファーの届く「スカウト型」ですので、数ある企業の中から選んで就職できます
学生自ら1社づつエントリーする「売り込み型」の大学とは全く異なります
うつで「大学を辞めそうな人」はどうすればよいか?
「指定校推薦だったのに」と思ってしまう気持ち
これは本人も親も感じやすいですが、「推薦=一生の保証」ではなく、
「その時に合うと思った進路」でしかありません
今の自分に合った道に切り替えていくことは、むしろ自分の人生を主体的に選ぶという意味で、大きな成長の一歩です
【かかりつけの内科の先生に相談】
精神的なストレスで気になる方は、かかりつけの内科の先生に相談してください
初期段階では内科の受診で大丈夫です
保護者の方も、子どもの様子が気になる場合は、受診を促すか、代わりにかかりつけの先生に相談することもできます

無理だと思ったら「誰かに助けを求めて」
保護者は「子どもの苦悩を感じ取って」
指定校推薦だから、「高校や親に迷惑をかける」と思う気持ちは間違ってはいませんが、今の優先順位はそれではないはずです
大切なのは「あなた自身」
人生の大きな岐路で大切にしなければならないのは「これからどう生きていくか」です
心細い気持ちのまま無理を続けるのではなく「親に打ち明ける」「かかりつけの内科を受診する」などで、解決の道はきっと開けます
焦らず考えていきましょう
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