AI時代に「とりあえず大学」「どこかに就職」の感覚じゃダメ

企業は給与を支払いたいから新卒採用するんじゃない

高校生の皆さん、保護者の方々に、厳しいけれど大切な現実をお伝えします。

企業は、給与を支払いたいから採用するのではありません。お金を生んでくれる人材が欲しいから採用するのです。

この大前提を理解していないと、「とりあえず大学に行ってどこかに就職」という考え方が、いかに危険かが見えてきません。

保護者の皆さんが学生だった時代とは、全く違っています。

「大卒」の価値が変わってしまった理由

皆さんの親の時代、「大卒」には確かに価値がありました。しかし今は違います。難関大学以外では、「大卒」という肩書きそのものに、昔ほどの学歴価値はなくなっています。

なぜでしょうか。答えは簡単です。18歳人口が減少し、希望すれば誰でも大学に入れる「大学全入時代」になったからです。

事実上「入試が手続き化」

総合型選抜や指定校推薦など、事実上「入試が手続き化」され、受験勉強をしなくても大学に行ける環境が整っています。高校の先生から「〇〇大学なら行けるよ」と言われて、勉強が苦手なまま進学している人が非常に多いのが現状です。

学生の早期確保で「年内学力試験導入」がニュースに

2025年、約8割の私立大学が入学生の学力低下を心配して、年内学力試験を導入し始めたことがニュースになりました。

でも、よく考えてください。大学が学力試験を導入することが「ニュース」になるということ自体が、おかしな話です。学生の質を維持したいと思うのは当たり前のことです。つまり、それがニュースになるほど、今の大学入試システムが異常だということを示しています。

中学から高校に進学するときは、偏差値に合わせて受験勉強をしたはずです。でも今の大学はちょっと違う。この違いが、後々大きな問題を生むのです。

【注】問題なのは「指定校推薦を増発する大学」

「とりあえず指定校推薦で大学に入れればいい」と考えている人は要注意です。

どこでもいいから大学に入れても、勉強ができなければ卒業はできません。

現実問題として、今、指定校推薦で進学した学生の退学が深刻な問題になっています。入学のハードルが低くても、大学の授業についていけず、単位が取れず、結局中退してしまう人が増えているのです。

AI時代に企業が求める人材とは

さらに厳しい現実があります。AI社会の到来です。

企業は今、「今の業務をどれだけAIに置き換えられるか」に必死で取り組んでいます。今いる社員にさえ早期退職を募り、人件費削減に努めている状況です。

もうお分かりですね。

繰り返します。企業は、給与を支払いたいから採用するのではなく、お金を生んでくれる人材が欲しいから採用するのです。

そんな企業が、「勉強をしてこなかった」「専門性も乏しい」人を積極的に採用するでしょうか。答えは明白です。そのような人材を積極的に採用する企業は、非常に少ないのが現実です。

今こそ、本当に必要な力を身につけるチャンス

では、どうすればいいのか。

悲観する必要はありません。AI時代でも必要とされる資格、技術を見直す、またとないチャンスが今なのです。

「とりあえず大学」ではなく、明確な目的意識を持って学ぶこと。具体的な専門性を身につけること。これが、これからの時代を生き抜く鍵になります。

選択肢のひとつが専門学校

ひとつの有力な選択肢として、専門学校があります。専門学校では、実践的な技術や資格を集中して学ぶことができます。卒業後すぐに現場で活躍できる力が身につくため、企業からも「信頼できる人材」として評価されやすいのです。

大切なのは、「とりあえず」ではなく、「なぜ学ぶのか」「何を身につけるのか」を真剣に考えることです。

あなたの将来は、今の選択にかかっています。

専門学校は都道府県の認可校です