専門学校卒業生のここがいい─企業が評価する即戦力の実態とは

「大卒より専門学校卒」。そう考える企業は確かに存在します。売り手市場が続き、大卒の就職率も高水準を維持する今、「専門性の乏しい大卒と、実践的なスキルを持つ専門学校卒」が存在します。企業はどう見ているのでしょうか。

企業は「新卒の早期戦力化」「専門性」を求める傾向に

新卒採用において、即戦力を求める傾向が強まっているのは事実。

  • 人手不足の深刻化:労働人口の減少で、既存社員が多忙になり、新人教育に時間を割けなくなっている企業が増えています。
  • ビジネス環境の変化:AI化の進展もあり、じっくり時間をかけて育成する環境は少なくなっています。
  • 新卒採用の変化:「専門スキルや資格を持つ人材の獲得」を重視する傾向になっています。

企業が専門学校卒を求める理由

採用現場の声を聞くと、専門学校卒の評価は明確です。専門学校生の就職率はほぼ100%で、企業から高い評価を得ています。

1. 教育コストの削減

専門知識がゼロの新入社員を一から教育するには、時間も費用も膨大にかかります。企業にとって、これは大きな負担です。専門学校卒の場合、入社時点で業務に必要な基礎知識と技術を習得しているため、研修期間を大幅に短縮できます。特に資格が必須の業界など、資格取得済みの就活生は高く評価されています。

2. 早期の戦力化が可能

専門学校では座学に加え、実習が充実しています。この実践重視のカリキュラムにより、卒業生は入社後の早い段階で戦力になると評価されています。専門学校では、多くの卒業生が、第一希望の進路に就職しており、企業と学生の高いマッチング率は高くなっています。

2. 内定辞退率の低さ

企業の採用担当者にとって、内定辞退は大きな痛手です。専門学校生の内定辞退率は大学生と比較して低くなっています。これは専門学校生の就活は、企業が直接学校に求人依頼をする「スカウト型の就活」で、企業を絞り込んでエントリーする傾向があるためです。明確な目標を持って入学し、専門分野への就職を希望する学生が多いことが、この安定性につながっています。

ちなみに大学は、学生自ら企業を探し1社ずつエントリーを行う「売り込み型の就活」で、平均10社以上にエントリーを行っています。業種、職種も定まらないケースもあり、手当たり次第の就活になる傾向もあります。

例)分野別でみる専門学校卒が輝く領域

AI時代でも多くの業界で専門学校卒に期待が高まっています。いくつか事例をご紹介します。

ITエンジニア分野

AI時代でも、プログラミングスキルやシステム開発の基礎を理解している専門学校卒が即戦力として期待されています。専門学校では企業と連携した実践的な授業が行われ、現役エンジニアが講師を務めるケースも多く、最新技術やトレンドをリアルタイムで学んでいます。

専門学校では、在学中に基本情報技術者試験などの国家資格を取得する学生も多く、一定の知識の証明として企業から評価されています。

医療・福祉分野

看護師、理学療法士、作業療法士、診療放射線技師、臨床工学技士など、国家資格が必須の医療・福祉分野では、専門学校卒が高い評価を得ています。実習時間が豊富で、即戦力として期待される教育を受けているため、現場からの信頼が厚いのが特徴です。

ホテル分野

ホテル業界では、専門学校卒が高く評価されています。

ホテル専門学校の最大の特徴は、数ヶ月の企業実習制度です。実際のホテルで実務を学ぶこの経験が、即戦力として企業から高く評価されています。実務経験と接客スキルを重視するホテル業界において、専門学校卒は大きな強みとなっています。

美容・調理分野

美容師、調理師といった国家資格を必要とする技術職では、専門学校卒が、入社後すぐに現場で力を発揮します。業界とのつながりが強い専門学校では、毎年企業から直接、学校に求人依頼が届く「スカウト型」の就活で、無理なく就職ができます。

繰り返しますが、これらは一例です。多くの分野で企業から高い信頼と評価を得ています。

企業が専門学校に期待すること

採用企業の声からは、専門学校卒に対する具体的な期待が浮かび上がります。

「業界の全体像や専門用語への理解がある」

社会での経験がなくても、専門教育を受けていることで、研修や教育コストを抑えられると企業は考えています。

「業界への強い志望意欲に期待」

専門分野を学ぶために入学した学生は、その業界で働きたいという意思が明確です。企業にとって、志望意欲の高い人材は定着率も高く、長期的な戦力として期待できます。

「実践的なスキルと資格」

専門学校では在学中に業界で必要とされる資格取得を目指すカリキュラムが組まれています。国家資格や業界認定資格を持つ学生は、入社時点で一定の技術力が保証されており、企業は安心して職場に配属できます。実習や演習を通じて身につけた実務スキルも、即座に業務に活かせると評価されています。

専門学校卒の採用も早期化

企業の採用活動も変化しています。専門学生の採用では、多くの企業が卒業年次前年の2月以前に「学校に対して求人依頼」を開始しており、早期化が進んでいます。実際、2年生の夏休み前までに、ほとんどの学生が内定を取得しています。これは、優秀な専門学校生を早めに確保したいという企業側のニーズの表れです。

高校生と保護者の皆さんへ

「大卒でなければ」という固定観念にとらわれる必要はありません。明確な目標があって、その分野で専門性を高めたいなら、専門学校は強力な選択肢です。企業は「何ができるか」を重視するようになっています。

専門学校で実践的なスキルを身につけ、即戦力として評価される。それは、キャリアのスタートラインに立つ上で、決して不利ではなく、むしろ有利に働く場面も多いです。

進路選択は、自分の適性と将来像をしっかり見据えることが何より大切。専門学校という選択肢が、可能性を最大限に引き出す道になるかもしれません。

大学に行くことだけが、進路の正解じゃありません。「何を学ぶか」「どう働きたいか」から考えると、『とりあえず』ではなく『本気で』学ぶ意味も見えてきて、専門学校のほうが合う人もたくさんいます。どんな分野があるのか見てからでも遅くありません。
あなたに合った専門学校がみつかるかもしれません。

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