Z世代の再起動=親世代に定着した「常識」の上書きが始まった

はじめに:投票率上昇の背景にある「本能的なノー」

2025年、10代(特にZ世代)の投票率が上昇しました。ただし、これは政治への関心の高まりというより、もっと身近にある危機感からくる“生きる本能”の反応と考える方が自然です

彼らは「何かがおかしい」と感じ、それに対して自ら意思表示する動きを始めています

「おかしいことにはノーと言う」

この忘れていた当たり前のことを、
今、Z世代は自らの行動で証明しています

1. 親世代が見落としてきた30年間の構造的変化

18歳人口の激減大学数の増加

30年前と比較1995年(30年前)2025年(現在)
18歳人口約205万人約110万人(半減)
大学数約570校約800校(1.4倍に)

進学率の上昇と受け皿のひずみ

18歳人口は減り続ける中で、無計画に私立大学を設置し続けた結果、受け皿(大学)が過剰となり、多くの大学が定員割れを起こす事態となっています

2. 身近な違和感から社会へ広がる危機意識

10代はすでに、自分たちに身近な「学校」「進学制度」の矛盾に気づき始めています

指定校推薦など「試験を受けなくても大学に行けてしまう」ことなど、「自分たちが気づかないまな、何かに流されている」ような違和感です

学校や進学だけでなく、次第に「就職」「社会」「将来」「平和」といった広い視野にまで危機意識は広がっていくでしょう

“あまり意思表示をしない”と見られていた彼らの「おとなしさ」は、むしろ研ぎ澄まされた感覚の裏返しかもしれません

3. 「親の世代とは違う」Z世代の意思表示=30年越しの再起動

親世代が当たり前と思っていた常識、そして「仕方ない」と諦めていた構造的な問題に対し、Z世代は自分たちの意思で「ノー」と言える権利を持っています

ですが、学生の立場では、
権利はあっても力がない…..

その中で、静かな抵抗とも言えるこの動きが、保護者の決裁ではなく自分で決めることができる“選挙の投票”という形で表面化してきていると見ています

今に対する「ノー」

学校や進学にとどまらず、次は社会全体に対してノーを示す段階へと移行する可能性が高いでしょう

まさに、30年止まっていた日本の成長に、10代という世代が「再起動」のきっかけを与えるかもしれません

そして、それは、今の高校生たちが
自らの意思で「将来を選ぶ」権利と力を持ち始めたことに他なりません

4. 結び—「常識の上書き」が始まっている

親世代の「常識」は子どもにとって必ずしも妥当なものではなくなりました

18歳人口が激減し、大学数が増え「希望すれば大学に入れる」。その構造の矛盾を前に、Z世代は「違和感」を直感として捉え、自らの意思で未来を選び始めています

その動きは、投票率という、一見すると無関係に思われる行動ですが、

Z世代が「自らの意思で行動」したことに価値があり、数字に現れた「本能的なノー」は、日本社会に対する鋭い生命反応といえるでしょう

とはいえ、18歳では、特に進学など保護者の意向が色濃く出る場面では「つい抑制的な反応」をしてしまうことが十分考えられます

ですから、保護者の立場としては、「子どもの本能」をどのように察知し、どう対応するかが、今、問われているのです

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