「大学中退=人生終了」じゃない──次の道を選べばいいだけ

はじめに:終了じゃないし、詰んでもいない

「大学をやめたら人生終了」──そんな言葉に押しつぶされそうな人がいます

でも現実には、年間6万人が大学を辞めています

もし本当に「終了」なら、社会はとっくに成り立たなくなっているはずです
じゃあ辞めたあと、どうしているのか?

1人ひとりが辛い思いや、焦る気持ちのなか、次の道を選び直しています
そこで、これまで以上に頑張って、自分を取り戻しているのです

だから、「終了じゃない」し「詰んでもいません」

覚えておいてほしいのは、大学を辞めたことで、あなたの可能性の全てが無くなってしまうことはないということです

1:「人生終了」と思う正体

今の大学生の多くは、AO入試や指定校推薦など「形式化された入試」で進学しています

これは決して悪いことではありませんが、競争経験が少ないまま大学に入った人にとって、中退は人生で初めての大きな挫折になりやすい傾向があります

また、「大学を出て当たり前」という価値観のなかで生きてきたためそれ以外の人生を想像できず、行き詰ってしまうのです

「友達は大学生活を楽しんでいるのに、自分は居場所がない」
「学ぶ意味が見えない、将来も描けない」

そんな気持ちが重なっていくと、目の前の不安が“人生全体の終わり”のように感じてしまいます

でも、それはあくまで“思い込み”にすぎません
「そんな軽いものじゃない」
と言うかもしれませんが、

「進路指導」などの限られた情報、「大学卒業は当たり前」など限定的な価値観の中で生活しているため、
思いもよらぬ「退学」という出来事に対し、“脳が混乱して冷静に判断できなくなってしまっている”だけです

ですから、決して人生終了ではないということを分かってほしいのです

2:あなただけが悪いわけじゃない

中退という結果を、すべて本人の責任にしてしまうのは不公平です

今、高校の進路指導をとりまく環境はとても歪んでいます
あなたを中心に、あなたの知らない方向に進んでいたとしたら…..

高校の進路指導:大学ありきの進路指導で、生徒の適性を深く見ていたでしょうか?

大学の対応:定員割れを避けるために、推薦枠を広げていなかったでしょうか?

あなたの姿勢:そもそも、その大学・学部は、本当に勉強したいと思った分野でしたか?

保護者の期待:「大学に行けば安心」という思い込みがなかったでしょうか?

進路の背景には、社会全体の価値観や制度が影響しています
だからこそ、「中退=個人の失敗」と決めつけるのは早計ですし、全ての責任を背負うことは違うと思います

3:切り替えて生きるための選択肢

大学を辞めても、人生の道筋はいくつもあります

就職
中退からでも入れる仕事は少なくありません。むしろ若いうちなら、フリーターから正社員への道も現実的です

専門学校
強みは「実践的なスキル」を学べること。分野は幅広く、卒業すれば「新卒」として就職することができます

再進学
いったん大学を辞めて、別の大学に入り直す人もいます。「やりたい分野に気づいた」というケースも珍しくありません

アルバイトや社会経験
すぐに進学や就職を決められなくても構いません。アルバイトを通して社会を知り、自分の興味や適性を見つける人もいます

大切なのは、「選び直していい」と気づくことです

4:中退は「再スタート」

中退は「人生の失敗」ではなく「方向転換の機会」です
むしろ社会に出る前に軌道修正できたことは、大きな財産になります

自分に合わないレールを降りることも「進路」です

たとえば、就職してから「やっぱり違った」と気づいて、転職する人は大勢います
それと同じことです

中退の経験は「挫折」ではなく、「自分を知るプロセス」だと言えます

「合わない」「辞めたい」と思っても決断できない人も大勢います
ですから「決断できた」あなたは、自信をもってください

まとめ:選び直しの機会

大学中退は「終わり」でも「詰み」でもなく「選び直し」の機会です

そして、その選び直しは決して特別な話ではありません

過去を悔やむ気持ちはわかります
ですが、「これからどう生きるか」に目を向けることの方が、あなたの人生にとってはるかに大きな決断です

もちろん、保護者も安心します

選び直しにかかる時間は人それぞれ
それはあなたにしかわかりません

でも、大学を辞める決断をできたのだから、次の選択もきっと決断できるはずです

それこそが、大学をやめた意味を、未来につなげる第一歩です

専門学校は都道府県の認可校です