評価は学歴から学習歴へ─人材採用が進化する「令和の真価論」

「学歴より学習歴」──採用現場が変わり始めている

指定校推薦が大幅に広がり、大学に進学しても中退する人が増え、卒業しても専門性が乏しく就職で苦戦するケースが目立っています

いま採用現場で注目されているのは「学歴」よりも「学習歴」です

いわゆる大手有名企業と違い、新人教育に時間も費用をかけられない多くの企業(大手・中堅・中小)では、自ら考え行動できる人材が強く求められる傾向にあります。

令和に問われる“真の価値”は、肩書きではなく“学びから得た実践力”です

目的なき大学進学の落とし穴

指定校推薦やAO入試で進学したものの、学習習慣が身につかず中退する学生が少なくありません。

さらに、卒業しても基礎学力や専門性に乏しければ、採用後すぐに離職する可能性もあります。

学歴があっても職場で通用しない──これが今、採用現場で起きている現実です。

大卒が学歴として通用するのは「難関大学」だけ

いわゆる大手有名企業の採用は、依然として学歴フィルターが存在します。とくに、難関校でなければ、学歴が大きな武器として通用する場面は限られます。つまり「大学に行けば安泰」という時代はすでに終わっているのです。

大手有名企業はメンバーシップ型採用が主流

大手有名企業では、職務を限定せずに採用するメンバーシップ型が主流です。新卒を一括採用し、配属や仕事内容は会社側が決めるスタイル。ここでは、学歴ブランドが強く作用しやすく、「大学フィルター」で落とされる可能性があります。

大手中堅・中小企業でジョブ型採用が広がる

一方、有名企業ほど知名度がなく人材が集まりにくい企業では、人材育成にかける時間や予算に限界があることと、若年層の転職活動が活発なことなどから、近年はジョブ型採用も増えています。最初から「即戦力」として働ける人材を求め、資格や実務スキルを持つ専門学校卒の学生にも注目が集まっています。

成果は“卒業時”──就活の違いで明確に

進学することは、ゴールではありません。大切なのは「卒業してどんな進路が開けるか」です。

実は、そもそも有名な大企業は大学生中心に採用しますが、その他の大企業や中堅・中小企業は、専門学校生も積極的に採用しています。

しかも専門学校の就職内定率は、毎年ほぼ100%に近い水準です。

評価の高くない大学で「自らエントリーシートを提出する就職活動で苦戦する」ケースと比べると、専門学校は「企業から学校に直接、採用オファーが届きます」

学生ひとりあたり数社~十数社からスカウトが届く就活です。このように、専門学校の学生のほうが、むしろスムーズに社会に出ていける現実があります。

新卒採用・中途採用で広がる「真価」の評価軸

日本でも「ジョブ型採用」が注目されています。これは「決められた仕事を遂行できる力」に価値を置く考え方です。

そこでは学歴よりも、自ら考えて行動し、責任感を持って取り組める資質が重視されます。

こうした力は、新卒だけでなく第二新卒やキャリアチェンジにおいても評価されるのです。

いま、企業が求めているのは、指示待ち人間ではありません。
「自信と責任意識を持ち、自ら考えることができる人」なのです。

専門学校が育てる“自ら自信を持って動ける力”

専門学校では、先生はコーチ、学生は選手のような関係で距離が近く、資格取得や希望業界への就職に向け、「自分で考え、動く」スキルを鍛えられます。

高校生の親世代が学生だった30年前は、「大学」というだけで、「学歴」評価を得ることができましたが、令和の時代、「大学を出ました」では、評価されません。

採用企業は、「その人が何を学び、何ができるのか」つまり、「真の価値」を評価する流れになっています。

専門学校では、資格取得、希望業界就職の目標に向け、現場に近い学びの中で“実践力”が養われます。

そして、目標を達成することで、他に代えがたい“自信”をもつことができます。

これこそが採用現場で評価する“学習歴”です。

まとめ──学習歴は「基礎となる土台」

学歴はあくまで入口にすぎません。社会が本当に評価するのは、何を学び、どんな力を身につけたかという学習歴です。

学習歴は、「基礎となる土台」です。土台がしっかりしていることで、自信を持って、「成果」を積み重ねていくことができます

高校生や保護者が進路を考えるとき、肩書きだけにとらわれず、「将来に通じる学習歴をどう積み上げるか」という視点が重要になってきます。

社会に出ると、ペーパーテストはありませんが、日々、「目の前にある問題」を解決しなければなりません。

基礎となる土台は、建物と一緒です。
高いビルを建てるためには、基礎工事が重要です。

基礎がしっかりしている人は、自信をもって、さらに「高く」「大きな」成長が可能になるのです。

専門学校は都道府県の認可校です