選んだつもりで選ばされている大学進学になっていませんか?

はじめに

「選んだつもりの進路」──実は“選ばされている”のでは?

高校の進路指導は、生徒の意思や適性を大切にし、その人らしい将来をサポートするもの

けれど実際には、「行ける大学」が優先され、「生徒の資質や適性」は置き去りで「本当に行きたい道」は見えづらくなっているのが現状です

いま、一部の高校の指定校推薦では、
「人気のない大学・学部の中から選ばせる」“進路指導”が行われています

つまり、「大学に行ける」という情報だけが独り歩きして、
「実は、学生の集まりが悪い大学・学部」を選ばされていることに、気づいていないことがあります

そんな、“大学進学ありき”の空気は、進学後に様々な悲劇を生んでいます

第1章 大学の“空席”が進路に影を落とす

少子化の影響で、大学は今、定員割れが当たり前になっています
私立大学の6割が定員割れの状態

人気がなく受験生が集まらない大学や学部は、生き残りのために、指定校推薦や総合型選抜(AO入試)を大幅に拡大

その結果、偏差値の低い高校にもどんどん推薦枠が広がり、
「誰でも大学に入れる時代」になっています

入試が「手続き化」され、試験というより「応募」と言ってもいい状況です

その一方で、保護者の「大学だけは出てほしい」という思い、
高校側の「進学率を上げたい」という思惑を、大学側はしっかり見ています

第2章 推薦枠を使えば「進学実績」になる高校

高校にとって、「大学への進学率」が大事な指標になっています
「うちの高校から何名大学に進学しました」という、宣伝用の実績作りです

校長からは「今年の大学進学の目標は、○○名」と、指示が出ています

そのため、大学の指定校推薦枠も使って、できるだけ多くの生徒を大学に送り出す動きが加速しています

三者面談でも、「この大学なら推薦があるよ」「いまならまだ空いてる」と、
“枠ありき”で話が進むことも

でもそれは、生徒の希望より先に「大学進学」という前提があるということです

すでに「選ばされている進学」になっているのです

第3章 本当にそれ、あなたの希望ですか?

「大学に行きたい」と言ったけど──それ、本音ですか?

面談で「大学に行きたい」と言う生徒の中には、
「そう言っておけば安心されるから」と本音を隠している人もいます
実は、選んでいるようで選ばされている──そんなケースが増えています

専門学校という選択肢は、あまり“見えていない”

多くの高校では、大学情報が優先され、専門学校の紹介は後回し。
親世代の「大学=正解」「専門=妥協」という思い込みも根強く、
専門学校に興味があっても言い出しにくい空気もあります

「やりたいことがない」は、本当にそう?

「やりたいことがないから、とりあえず大学へ」という人もいますが、
それはまだ出会えていないだけかもしれません

専門学校には、職業に直結した多様な学びがあります。
オープンキャンパスや説明会に参加することで、新たな興味が芽生えることもあるのです

「とりあえず」で決めた進学は、あとから悩みやすい

なんとなく進学すると、あとでこう思う人もいます

・「思っていた勉強と違った」

・「大学に向いてない」

・「自分には合っていなかったかも」

・「辞めたい…..」

進路は、自分の意思で選ぶことが何より大切です
誰かの期待ではなく、自分の気持ちに正直に向き合ってみましょう

第4章 “選ばされる進学”から、“選ぶ進学”へ

大学に行くことが悪いわけではありません

でも、「この大学に決めた理由は?」と聞かれて、
「推薦枠があったから」としか答えられないなら、ちょっと立ち止まってほしいのです

自分は何を学びたいのか?
どんな働き方・生き方をしたいのか?

進路を“選ぶ”には、まず自分を知ること、知ろうとすることが必要です

そのうえで、大学・専門学校・就職などをフラットに見比べる

選ばされるのではなく、「納得して選ぶ」ことで、自信を持って進むことができます

まとめ

進路は「選ばされた道」ではなく、「自分で選んだ道」にしよう

進学した後、ふと振り返ったときに、

「なんでこの道を選んだんだっけ?」と疑問を持たないように

「この道を選んでよかった」と思えるように

その一歩は、「誰かに選ばされた進路」ではなく、自分の意思で選ぶ進路にしよう

専門学校は都道府県の認可校です