大学のオープンキャンパスで見た、親子のリアルなすれ違い

オープンキャンパスで耳にした、ひとつの会話

8月の猛暑日、都内の文科系大学オープンキャンパスでのこと

母親
「この大学に入って、何の勉強がしたいの?」の問いかけに

男子生徒
「・・・・・」無言

その沈黙に、親子のリアルなすれ違いが表れていました

本人の進路への主体性が弱い!?

答えられないのは「やりたいことが全くない」からとは限りません

「関心はあるけど言葉にできない」「進学そのものが目的になっている」など、「何を学びたいのか」まだ固まっていない、そんな様子が見え隠れします

親は“問いかけ役”、でも親の期待する答えを待ちすぎる傾向

「何を勉強したいの?」という問いは正論です

ただ、高校生にとってはプレッシャーが強く、答えを避けたくなることもあります

その分野に「興味がある」でも、「何の勉強をしたいの?」と問われるとうまく表現できない

「親の求める正解」が出せないと思うと、つい黙ってしまう

そんな状況ではないでしょうか

表面的には会話、実質はズレ

母親は「学びの目的」や「将来の仕事まで」を確認したい

親の本音は
「興味を持って勉強できるの?」
「4年間続けられるの?」
「卒業後、どんな仕事をするの?」

子どもは
「興味のあること」があり「大学に行くこと」自体がゴールになっているかもしれません

そう考えると、母親の問いは「理想の方向へ導き」で、子どもの沈黙は「自分を出し切れないもどかしさ」です

これでは、会話が噛み合いません

本音が上手く言えない関係性だってある

「何でも包み隠さず、正直に」と言われても、上手く伝えられないことだってあります

黙るのは「本人にも分からない、出し切れない自分」なのではないでしょうか

・関心はあるが上手に伝えられない

・仕事につながるイメージまで持てない。そんな戸惑いからくることもあります

「よく分からない」と言うより、“黙っていた方が安全”だと感じてしまうのかもしれません

親から「こうしたいんじゃないの?」と、“言われるのを待っている”のかもしれません

保護者と本人へのヒント

保護者へ

「何を勉強したいの?」といきなり聞くのではなく、
「この分野のどういうことに興味があるの?」「何が気になるの?から始めましょう

 そこから「それを学ぶと、どんな仕事につながるかな?」と一緒に考えると、子どもも話しやすくなるのではないでしょうか

お子様へ

全部答えが出なくても大丈夫

「この分野にちょっと興味ある」
「ネットで見て面白そうと思った」
だけでも言葉にしてみること

その一言から、親との会話が広がります

将来の仕事や就職先などは、オープンキャンパスで、学校の人に確認すれば詳しく分かります

親は、何でも知っているわけではありません。実際、あなたが興味を持った分野について、よく知らなかったはずです

いま知っておきたい社会で行き抜く自立心を育む専門学校

大学全入時代を迎えて、大学は「学歴ブランド」ではなくなっています

指定校推薦で進学した大学の退学者が増えていることも問題になっています

いま、「学歴より学習歴」の時代です
親の世代が学生だった30年前とは、環境が違います

社会で求められているのは、
「自信・責任感・自立心」です

言い換えると「行き抜く力」です

指示待ちではなく、自ら考え、決断して、動ける、そういう“実践力”を磨くことができるのが専門学校です

専門学校で培った「資格」「スキル」の専門性は、社会に出たあと、同じ分野に転職する「キャリアアップ」、異業種に転身する「キャリアチェンジ」でも、高い評価と新しい可能性を広げることができます

まとめ

オープンキャンパスに、保護者同伴は増えています

「子どもが興味をもった分野」は、親にとっては初耳で、理解できないこともあるかもしれません

でも、子どもにとって、進路について一緒に考えてくれる親は心強いものです

興味をもったことが、将来どう生かせるか?

特に、大学の場合は幅広く学ぶので、「学部」と「職種」を結びつけることが難しいことの方が多いです

親子で「考えていること」を少しづつ出し合っていく。その積み重ねが、進路選びの“理想に近い選択”につながります

専門学校は都道府県の認可校です