氷河期世代を親に持つZ世代の君へ 「自分らしい」進路の見つけ方

氷河期世代の親が子どもに与える「知られざる影響」

あなたの親御さんが経験した「就職氷河期」は、景気が極めて悪く、正社員として就職できなかった若者が多かった時代です

親御さんにとって辛い記憶ですが、「バブル経済の崩壊」以降、日本経済の低迷が始まった時期と重なります

最近、ネットニュースや、YouTubeで「失われた30年」という言葉を見聞きした人もいると思いますが、就職氷河期はまさに、そのど真ん中の時代でした

この経験は、少なからずあなたへの接し方や考え方に、以下のような形で影響を与えている可能性があります

まず、経済的な影響です
たとえば、社会環境の影響による非正規雇用の経験などから、あなたの進学費用や将来設計に不安を抱かせる場合があります
より堅実な進路を迫られる、そんな経験もあるかもしれません

次に、精神的な影響も無視できません
親が安定を強く求めたり、失敗を極度に恐れたりする傾向にあると、あなたの挑戦意欲や選択肢を無意識のうちに狭めてしまうことがあります
「とりあえず安定した職に就いてほしい」という、親の思いを優先してあなたの納得できない進路を勧めてしまうこともあるかもしれません

氷河期世代の親が子どもに与える知られざる影響

さらに、親御さん自身のキャリア形成が困難だったことから、あなたに対する進路情報の提供が限定的になるケースもあります

でもこれは仕方のない話で、決して親御さんのせいではありません
そういう時代背景のもと、必然的に生まれた自然な流れです

そして、「とりあえず大学」という考え方につながります

親世代には「大学は出ておくべき」という学歴重視の傾向が根強くあります
その結果、「なんとなく大学進学」を選び、結果として入学後に「こんなはずじゃなかった」とミスマッチを生む可能性を秘めています

大卒の学歴を求めるなら「Fラン大では難しい」

学歴は「学生時代に勉強した努力を第三者に証明するモノサシの一つです」
しかし、Fラン大卒の場合は、正直なところ「勉強を頑張ってこなかった証明」として見られてしまいがちです

「そんなことはない」と反論意見もありますが、これは事実です

「学歴フィルター」の対象になることも事実です

失われた30年の間に「企業に余裕がなくなった」

今、「人材不足で、初任給が上がり、有効求人倍率も高いので、就職は安心」と思っていませんか?

有名企業に就職したいのであれば、いわゆる難関大学を卒業しなければ無理です

また、日本の中堅・中小企業に、「新人をじっくり育てる余裕はありません」
だから、「高い給与を提示してでも、優秀な人材がほしい」のです

新卒の3割以上が入社3年以内に転職をしている今、企業としては、「短い在籍期間にどれだけ会社に利益をもたらしてくれるか」を考えています

企業は、「社員に給与を支払いたいから採用している」のではありません
企業は、「どれだけ、社員が会社の利益につながるか」を最優先で考えます

つまり、「できるだけ即戦力になる人」を採用したいのです

とりあえず大学という考え方

「指定校推薦で入った大学を辞めたい」という現実

近年、大学に指定校推薦で入学したものの、「辞めたい」と悩む学生が増えています

指定校推薦は一見、有利な制度に見えますが、その選択には落とし穴もあります

指定校推薦のメリットは、事実上、学力試験なしで入学できることや、早めに進路が決まる安心感でしょう。しかし、その一方で、デメリットも存在します

受験勉強をせずに進学したために、入学後の学習意欲が低下したり、学ぶ内容に興味が持てずにモチベーションが続かなかったりすることがあります

また、学習を苦手としていた高校生が、安易な気持ちで目的のないまま大学進学をした場合、「専門分野」の講義についていけず、これが中退リスクにつながることも少なくありません

たとえば「Fラン大学」
Fラン大学とは不合格者が少なく、BF(ボーダーフリー)大学とも言われ、偏差値が低い大学の総称としても使われています

「指定校推薦」などで事実上、入試が手続き化している大学もあります。これらの大学は入学が容易で、教育内容や、学生の学習意欲に課題があると言われています

本人にとって期待していたような学生生活とはかけ離れ、退学する人もいます

「辞めたい」と思う具体的な理由としては
・学習内容と自分の興味の不一致

・周囲の学生との意識のギャップ

・そして将来への漠然とした不安などが挙げられます

入学後に「こんなはずじゃなかった」「ついていけない」と後悔しないためにも、入学前にしっかりとした自己分析と情報収集が不可欠なのです

「指定校推薦で入った大学を辞めたい」という現実

自分らしい進路を見つけるための4ステップ

ステップ1:好き・得意・嫌いを言語化する

自分の「好きなこと」「得意なこと」「苦手なこと」をノートに書き出してみましょう
「人と話すのが好き」「手を動かすのが苦にならない」など、小さなことでもOK

ステップ2:進路の選択肢を広げてみる

大学だけでなく、専門学校、就職する、海外に行くなども含めて「選択肢を広く」持つことが重要です。説明会やオープンキャンパス、動画などでリアルな情報を集めましょう

ステップ3:身近な大人にリアル体験を聞く

親や先生だけでなく、兄姉、バイト先の先輩、卒業生などに「なんでその進路を選んだの?」「仕事のいいところ・しんどいところは?」と聞いてみましょう
進路選びのヒントが得られます

ステップ4:「肩書き」ではなく「生き方」で考える

「大学卒の肩書」より、「自分がどんな毎日を送りたいか」を軸に考えると、後悔のない選択につながります。働き方や生活スタイルから逆算して考えてみましょう

焦らなくても大丈夫。「正解の進路」は一つではありません。今は「変えていける時代」だからこそ、まずは小さく行動し、自分の感覚を信じてみましょう

自分らしい進路を見つけるためのステップ

即戦力に近い「専門学校卒」の実力が光る

今は、「どこでもいいから大学を出れば何とかなる」時代ではありません
専門性の乏しい大学の場合は、なおさらそういう傾向にあります

専門学校に進学する人は
「資格を取得して○○になりたい」
「□□のスキルを高めて△△△業界に就職したい」
など、卒業後の職種、業界の目標が決まっています

それぞれの専門学校は、各業界からの信頼が厚く、「業界の求める人物像」に近づく、つまり即戦力に近い専門教育を行っています

何となく大学に進学した人のなかには、「入学後に向いてないと思った」と気づく人も多く「再スタートとして専門学校に進学する人」は大勢います

大学中退も含めて、社会人から専門学校で再スタートする人は、全体の25.6%でつまり、4人に1人の割合です

大学、専門学校、どちらに進んでも
「努力は必要ですし、学ぶことはたくさんあります」
ですが、大学と専門学校には、向き不向きがあるのは事実です

「即戦力に近づいて、希望する業界に、希望職種で就職できる」のが専門学校です

即戦力に近づく専門学校の実力

あなたの未来は、あなたの手の中に

親を心配させたくたいので、親の言う通りに大学に進学してはみたものの、「ついていけない」「向いてない」「やめたい」と悩んでいる学生は、年々増えています

大学退学・休学の実情
大学を退学する人は年間6万人。大学を休学する人は年間6万5,000人。
つまり、年間で12万5,000人離脱しているのが実態です

退学の多いタイミングは、入学してすぐの前期終了時、1年の終了時など早期で特に「文系学部」の「大学ミスマッチ」が多いと言われています

この事実を、高校の進路指導では絶対に教えてくれません

「うちの高校から今年◎◎名、大学に進学しました」という情報は発信しますが
「大学に進学した中から、●●名が退学した」事実は、一切公表されません

親の経験はあくまで参考であり、親の期待に応えたい気持ちは決して悪いことではありませんが、最終的な進路選択はあなた自身で行ってください

後悔しない選択をするために、今できる最善の努力をしましょう

それでも、万が一困難に直面して、キャリアチェンジをするとしても大丈夫です
「再スタート」のチャンスはいくらでもありますし、門戸は開かれています

あなたの未来は、あなたの手の中にあります

自信を持って、自分らしい道を見つけてください

あなたの未来は、あなたの手の中に