じつは知らないリハビリの仕事?_リハビリの仕事に就くには?

リハビリに関して、「知られていないこと」が多すぎるのが現実

「リハビリの仕事」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるでしょうか。多くの人が理学療法士をイメージするかもしれません。しかし、リハビリテーションの世界には、もうひとつ重要な資格があることをご存知でしょうか。それが「作業療法士」です。

実は、この2つの職種には明確な違いがあり、患者さんへのアプローチも大きく異なります。にもかかわらず、その違いを正確に理解している人は驚くほど少ないのが現状です。

理学療法士と作業療法士、その違いとは?

簡単に説明すると、両者の役割は次のように分けられます。

理学療法士は、患者さんの「痛み」を治す専門家

怪我や病気で損なわれた身体機能の回復を目指し、歩く、立つ、座るといった基本的な動作の改善をサポートします。

作業療法士は、患者さんが「何をしたいか」「何ができるようになりたいのか」という目標に寄り添い、「メンタル」も整える役割

身体機能の回復だけでなく、その人らしい生活を取り戻すための支援を行うのです。

わかりやすいイメージで考えてみましょう

  • スポーツのリハビリ → 痛めた箇所を治す → 理学療法士
  • 「料理ができるようになりたい」「趣味の園芸を再開したい」 → その人の願いを叶えるサポート → 作業療法士

この違い、知らない人が多いのではないでしょうか?

「社会に貢献する仕事」としての作業療法士

「社会に貢献する仕事に就きたい」と考えたとき、作業療法士は特に魅力的な選択肢となります。なぜなら、作業療法士は一人ひとりの心のケアまで深く関わる職種だからです。

患者さんの生活背景、価値観、そして「どう生きたいか」という想いに寄り添いながら、その実現をサポートします。そのため、理学療法士と比べて、作業療法士の方が1人の患者さんに長く、深く接することが多いのです。

あなたはどっちに向いている?

では、どちらの道を選ぶべきでしょうか。自分の適性を考える際の目安をご紹介します。

理学療法士に向いている人

患者さんやスポーツ選手の身体機能を回復させたい、痛みを取り除いて動けるようにしたいという想いが強い人に向いています。

作業療法士に向いている人

患者さんの「どうしたい?」「何をしたい?」という心の声に耳を傾け、メンタル面からも支えたいと考える人に適しています。

リハビリテーションの仕事に就くには?

リハビリテーション専門職になるためには、国家資格の取得が必須です。資格取得のためのルートとしては、専門学校と大学の2つがあります。

「実践的な実習の多い専門学校」はお勧め

専門学校をお勧めする理由は、以下の点にあります。

1. 圧倒的な実習時間の豊富さ

専門学校は3年制または4年制で、カリキュラムの中に実習が多く組み込まれています。早い段階から臨床現場を経験できるため、卒業時には即戦力として活躍できる力が身についています。

2. 現場で求められる実践力を養える

大学では理論や研究に重きを置く傾向がありますが、専門学校は「現場で使える技術」の習得に特化しています。実際の患者さんと接する経験を通じて、コミュニケーション能力や臨機応変な対応力も磨かれます。

3. 最短ルートで国家資格を取得できる

3年制の専門学校なら、大学よりも1年早く国家資格を取得し、現場で働き始めることが可能です。早く社会に出て経験を積みたい人には大きなメリットとなるでしょう。

4. 少人数制で手厚いサポート

多くの専門学校は少人数制を採用しており、教員との距離が近いのが特徴です。国家試験対策や就職活動のサポートも充実しており、一人ひとりに寄り添った指導が受けられます。

介護の仕事も、実は「心のケア」だった

たとえば、介護施設でお年寄りが突然大声を出したとします。
何も知らなければ、「うるさいな」と思う人もいるかもしれません。

でも、介護士はその瞬間に仕事が始まります。「なぜ大声を出したのだろう?」——それは、介護の仕事は身体の世話ではなく、心のケアだからです。

見えにくい、介護の本質

当然ですが、家族の世話と他人の世話では次元が違います。だからこそ、「看護師」は人気がある一方で、「介護士」は敬遠されがちなのは事実です。

でも実は、看護師になってから介護の本質に気づく人もいるのです。
「自分がやりたかったのは、介護だった」
と気づく人もいます。

介護という仕事の再発見

介護はたいへん——その見方は間違っていません。

でも、たいへんだからこそ、そこには人の心に寄り添う深い仕事があります。
社会に貢献し、人に貢献し、人に奉仕できる仕事。
それは介護なのかもしれません。

「介護は大変」という先入観を、少しだけ違う角度から見直してみる。
この記事がその役にたてば…

「介護=身体介助」ではなく、「介護=心のケア」

高校で、介護の仕事に興味がある場合、そのまま就職することも可能です。

でも、できることが限定されるので、そこで挫折してしまう人もいます。
できることの幅を広げる方法のひとつは専門学校。

あなたがイメージしている社会貢献のかたちは介護なのかもしれません。

まとめ

リハビリテーションの仕事は、理学療法士と作業療法士という2つの専門職で成り立っていると言っても過言ではありません。
どちらも患者さんの人生を支える、やりがいのある仕事です。
でも、「心のケア」という視点でみると介護士の仕事も該当します

身体機能の回復に専念したいなら理学療法士、心に寄り添い生活全体をサポートしたいなら作業療法士。身の回りを見ながら心のケアもするなら介護福祉士。

それらの知識、技術を実践力を身につけて即戦力として活躍したいなら、専門学校での学びが最適です。

人の人生を支える仕事、社会に役立つ仕事、人の役に立つ仕事。
あなたの求める社会貢献のかたちは、リハビリテーションの世界にあるかもしれません。

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