大学指定校推薦だから安心?
親の安心で子どもが苦しむ例
偏差値の低い高校生が指定校推薦で進学した場合は特に注意が必要です
入学後のメンタル不調や退学を防ぐために、今知っておくべきこと
指定校推薦が抱える問題|なぜ子どもが苦しむのか
指定校推薦は「安心な進学ルート」と思われがちですが、実際は入学後にメンタル不調や退学する事例が少なくありません。
推薦で入れるなら、と進学した子どもが入学後、
「勉強について行けない」
「大学に行く気がしない」
「気分が落ち込む」
このような状況になってしまう例は、けっして特別な話ではありません。
今の子どもは親の世代より繊細
今の高校生は、SNSや他人との関係に敏感で、「場に合わせる力」に長けていますが、幼少時から「自分の力が評価される競争」に慣れていないこともあり、「自分に合わない場所」に強いストレスを受ける性質を持ち合わせているようです。
「周りは勉強して入ったのに、自分は指定校推薦で勉強しなくても入れた」「ここは自分に合わない場所ではないか」──そんな心理的な背景が、勉強や人間関係などの自信を奪っていくのかもしれません。
入学後に起こる3つのギャップ
指定校推薦入学者は、一般入試と比べて早期に進路が決まるため、以下のような「入学前後のギャップ」を感じやすい傾向にあります。
燃え尽き症候群
高3秋に進路が確定し、残りの高校生活が「目標喪失」状態に。そのまま大学に入学しても「目標」がなく気持ちが切り替わりません。
学力差のプレッシャー
一般入試組との学力・学習習慣の差に劣等感を抱くケースがあります。偏差値の低かった人の中には、学習が苦手な人も多いのは事実です。
期待への重圧
高校の推薦枠を使った責任感や、親・教師の期待からくる精神的負担が大きくなります。
親の「安心」が招くリスク
18歳人口が減少しているにも関わらず、大学数は増え、私立大学の6割が定員割れの状態です。
大学側の「営業活動」になっている現実
定員に満たない大学、人気のない学部は、「偏差値の低い高校に対しても、指定校推薦の枠」を提示しています。つまり、一人でも多くの学生を獲得する“学生募集の営業活動”です。
事実上「入試が手続き化」しています。
提示を受けた高校側も「うちの高校から大学進学実績を増やせる」と、三者面談などで「今なら、この大学に行けます」と話を持ち出すのはよくあることです。
保護者も「せっかく推薦がもらえるなら」「合格が確実なら」という判断で進める進路が、子どもを結果的に苦しめてしまう場合もあります。
進学の判断基準を見直しましょう
本人が「大学はどういう場所で、その学部・学科で何を学ぶのかを理解しているか」
保護者も「子どもの資質、学力、意欲で大学で続けられるか」
これらを冷静に見極めることが必要ではないでしょうか。
💡 AI時代の進路選択、今からでも間に合います
【とりあえず大学で合わなかったら専門学校】
「就職ミスマッチ」があるように「大学ミスマッチ」だってあります。その時、速やかに次の道に進めるかどうかが大切な判断です。
【AI時代の就職、知っていますか?】
企業が求めるのは「○○大学卒」ではなく「◎◎ができる人」。
資料作成や企画書はAIに任せる時代。求められるのは、AIを使いこなす/AIに代替されない専門スキルです。
【メンタル面でも専門学校が有利】
大学で見られる「授業についていけない」「置いてきぼり」がありません。
少人数制で面倒見がよく、資格取得まで手厚くサポート。
就職も企業から学校に求人が来るオファー型で、一人で悩む必要がありません。
見逃さないで|子どもからのSOSサイン
食欲がない、眠れない、疲れやすいなど、ちょっとした変化が重要なサインです。
| サイン | 具体的な状況 |
|---|---|
| 環境適応の困難 | 大学の講義、新しい人間関係、勉強の自己管理にうまく対応できず、心身が不調になる |
| 学びへの違和感 | 入学前に思っていた内容と違い、意欲が低下する |
| 孤立感 | 友人ができず、相談相手もなく悩みを抱え込む |
| 自己否定 | 「推薦で入った」「実力が足りない」と思い込み、自己肯定感が下がる |
| 無気力 | 学ぶ目的が明確でなく、大学生活に意義を見いだせない |
早期発見が重要です
「少し元気がない」程度でも、継続的に見られる場合は要注意。早めに声をかけ、違和感を感じたら専門家に相談することも検討しましょう。
うつ・退学を防ぐ|親ができる3つのこと
1. 進学前:冷静な判断をする
「推薦がもらえるから」という理由だけで決めない
- 子どもが大学で学ぶ内容を理解しているか確認する
- 子どもの学力・意欲で続けられるか冷静に判断する
- 専門学校など、他の選択肢も一緒に検討する
2. 入学後:変化を見逃さない
日常の小さな変化に気づき、声をかける
- 食欲、睡眠、表情など普段と違う様子がないか観察
- 「大丈夫?」と軽く声をかけ、話しやすい雰囲気を作る
- 無理に聞き出さず、「いつでも相談していいよ」と伝える
3. 兆候があったら:すぐに動く
「様子を見よう」と先延ばしにしない
- 専門家に相談する(詳しくは後述)
- 「退学=失敗」と思わせない、安心できる環境を作る
- 専門学校などの選択肢を一緒に調べる
専門学校という選択肢
専門学校には偏差値という概念がなく、「目的で選ぶ」教育機関です。
新入生の4人に1人(25.6%)が大学中退者や社会人など「高校既卒者」。全員が同じ目標に向かって学んでいます。
大学と比べて「面倒見のよい教育機関」で、クラス単位でカリキュラムに沿って学ぶスタイルは高校に近いイメージです。
就活も「オファー型」で、学生1人に数社〜十数社の企業から求人が届きます。
もし退学になってしまったら|親ができるサポート
大前提:人生はやり直せる
指定校推薦で入った大学を退学しても、「人生が終わった」わけではありません。「すべての可能性がゼロになった」わけでは決してありません。
新卒で就職しても3年以内に3割以上が離職している時代。企業も25歳以下を第二新卒として通年採用するなど、若手人材への考え方は変化しています。
まずは回復を最優先に
うつ状態からの回復には時間が必要です。自己判断せず、医療機関のサポートを受けることも検討してください。
【かかりつけの内科で大丈夫】
心療内科や精神科でなくても、かかりつけの内科で相談できます。ハードルが低く、安心して受診できるのではないでしょうか。
保護者ができること
親として不安になるのは当然ですが、子どもにとっては「信じてくれる人がいる」という安心感が何よりの支えになります。
回復後の選択肢はいくつもある
気持ちが少しでも前向きになってきたら、進路の再構築を考える時期です。
【今できることから始める】
- 別の大学に入り直す(編入・再受験)
- 専門学校で興味のある分野を学び直す
- アルバイトで社会経験を積む
- 就職する
特に専門学校は「再スタート組」が多く、希望する業界があれば専門学校経由で新卒就職を目指せます。
読者対象
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