“個人尊重”の時代、世界の適性進学と日本の進路の大きな違い!

文部科学省の統計によれば、1992年には約205万人だった18歳人口は、2025年には約109万人台にまで減少しています

この30年で約半数になったのです

少子化がすすむ中、“個人を尊重する考え方”が浸透し、日本人の価値観は変化しています

価値観は変化

就職も個人を尊重する時代なのに

一昔前は、偏差値に沿って高校受験が割り振られ、卒業後は大学に行けば何とかなると言われ、会社のために働き出世を希望する世代でした

いまZ世代の18歳人口が減少する一方で、通信制高校生は年々増え、10人に1人と言われています

この数字は「個人尊重」に基づく進路選択の本質を鮮明に表しています

就職活動も同様です

今は、会社のために自分を犠牲にして働いていた時代とは違います
休日休暇を重視して、自分のキャリアを積みたい、時間を大切にしたい世代です
つまり「個人を重視する価値観」を企業選びの中心に置いています

にも関わらず、高校の進路指導だけは『大学偏重』の選択を迫られています

高校卒業後の進路だけが「個人尊重」とは異なり、「大学の6割が定員割れによる入試の手続き化」や「大学進学実績を増やしたい高校の意向」などまわりの影響を大きく受けています

高校卒業後はとにかく大学という進路指導が社会の目詰まりを起こしないでしょうか?

高校進学高校卒業後の進路就職の価値観
保護者の世代偏差値に沿って進学大学に行けば何とかなる会社のために働き、出世
Z世代10人に1人が通信制高校高校・保護者の意向で大学出世より自分の時間を重視
Z世代価値観個人を尊重個人尊重の適性進学個人を尊重

ドイツ、アメリカ、イギリスの専門教育制度
世界では「適性進学」が当たり前

海外の専門職に特化した教育機関について紹介します

「個人を尊重する教育のヒント」になるのではないでしょうか

これらの制度は、学力や日本で言う偏差値ではなく、個人の適性や職業への意欲を重視した進路選択を可能にしています

​日本においても、専門学校がこのような「個人尊重」の教育を体現する場として、もっと注目されるべきではないでしょうか

適性進学が当たり前
専門教育例 ※2024年現在ドイツアメリカイギリス
名称デュアルシステムコミュニティカレッジアプレンティスシップ
修学年数2~3.5年2年2~6年(レベル2~7)
学習形態週の約60%を企業での実務訓練
40%を職業学校での座学
​座学と実習を組み合わせたプログラムで柔軟な履修が可能​企業での実務経験と職業訓練校での学習を組み合わせる
対象職種製造業、医療技術者、IT技術者、販売職、ほか​医療補助、ITサポート、調理、ビジネス事務、ほか建設、エンジニアリング、金融、IT、医療、ほか
進学比率​約50%が職業訓練に進学。その2/3がデュアルシステムを選択約40%がコミュニティカレッジを選択近年、アプレンティスシップを選ぶ若者が増加傾向
特徴​訓練生は企業から報酬を受け取り修了後の雇用率も高い学費が比較的安価で職業訓練と学位取得の両方を目指せる​企業から報酬を受け取りながら学び、実務経験を積むことができる

このほか、フランス、カナダ、オーストラリアなどにも同様な教育機関があります

ここでは、「大学進学=偉い」「専門学校=偉くない」という発想はありません

むしろ、社会に出てすぐ役立つスキルを持つ人材は、企業や社会から高く評価されます
進学ルートは個人の適性に合わせて分かれ、評価もそれぞれに与えられている
のです

日本はどうでしょうか?

依然として「大学に入ってから考える」という進路指導が残っています

でも、それはもはや時代とズレているかもしれません

時代遅れ

一部の全日制高校が追い付いていない!?個人の尊重

偏差値帯の低い全日制高校でも、指定校推薦など“大学進学推し”の傾向があります
これには大きく3点の要因があります

要因解説
学歴主義・大学信奉の根強さ「大学に入る=良い人生」という価値観が根強い
高校側は生徒の進路実績として大学進学数をアピールしたい
保護者も大学進学を最重要視する傾向
高校で指導する側の意識教員の多くが、大学受験を経験し学歴社会の中でキャリアを築いてきた世代
そのため、大学進学を生徒の重要な指標と捉える傾向があるのも事実
大学数の増加・18歳人口減少・私大の6割が定員割れ社会の変化を背景に「指定校推薦」「総合型選抜(AO)」などによる入試の前倒し化、手続き化がすすみ、「個人の資質を尊重する指導」が抜け落ちている

いま問われる「個人尊重」という価値
専門学校━適性を伸ばす教育機関

少子化が進み、18歳人口は年々減少していますが

そんな中、注目すべき変化があります。それは、通信制高校の生徒数が年々増えているということです

文部科学省の学校基本調査によれば、通信制高校の生徒数は過去最多を更新し続けていて、高校生の10人に1人が通信制高校生です

この増加には複数の要因が考えられますが
一昔前のように、単純に不登校だからではありません

中心にあるのは「自分らしい学び方・生き方を求める」Z世代の存在です

「自分らしく」を大切にする価値観が、確実に広がっています

通信制高校の増加は単なる“選択肢の一つ”というよりも、「時代の価値観の変化」を示す重要な兆候と見ることができます

個人の特性やペースを尊重する社会の流れは、すでに動き出しています

専門学校はトップランナー!?

こうした価値観の中、専門学校はまさにその最前線にあると言えます

偏差値で人を判断せず、目指す職業という共通のゴールに向かって、異なる背景を持つ人たちが学ぶ場所

国家資格を目指す人、社会の生活を支えるエッセンシャルワーカーとして活躍する人材を数多く輩出している点でも、社会的な意義は大きいと言えます

社会的意義は大きい

いま私たちに必要なのは、「とりあえず大学」という単純な進路観ではありません

一人ひとりが自分の“適性”と“目的”に向き合うという姿勢です

専門学校には、それに気づいた学生が集まっています

「目的」があるからFラン大学とは違い偏差値の高い人もいる

専門学校には、多様な人たちが入学しています

高校新卒もいれば、大学中退の人、社会人などです

専門学校の4人に1人は、大学中退者も含む社会人です

高校で成績上位だった人もいれば、そうでなかった人もいます

学力の幅が広いのに、なぜ同じ学校で学んでいるのでしょうか?

それは、「偏差値」ではなく「目的」で進学しているからです

目的で進学

Fランク大学と呼ばれる大学に進む理由の多くは、「とりあえず大卒資格がほしい」「まわりがみんな進学するから」というのが主が動機です

偏差値が低くても、大学に入ることで就職に有利になるという“学歴フィルター”を通るための手段になっているのです(実際には“学歴フィルター”を通過しても、“大学フィルター”に引っかかることもあるのですが・・・)

明確な職業意識

一方、専門学校に進む人の多くは、「なりたい仕事がある」「資格を取りたい」「知識や技術を高めたい」といった明確な目的意識を持っています

だからこそ、偏差値が高くても大学ではなく専門学校を選ぶ人がいるのです

目指すゴールが同じであれば、スタート地点の偏差値の違いは大きな問題ではありません

学力よりも、やる気や実技、現場での適応力が重視される──それが専門学校という場所です

「とりあえず大学進学」の考え方を疑ってみましょう

進路に“正解”はありません

あるのは
「自分にとっての納得のいく道か」
「それぞれ場所で何をするか」

だけです

世界では「適性進学が当たり前」というのは

「大学に行く人は大学に行く」「専門教育を受ける人は専門学校に行く」ということが社会の常識として成立しているからです

偏差値が低くても、勉強することが苦手でも
「とにかく大学に行く(行かせる)」ことは「適性進学」ではありません

「大学に行けば何とかなる」という考えは、すでに今の時代に合っていないのかもしれません

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