「指定校推薦で大学に行ける」はゴールじゃない。高校生と保護者に読んでほしい話

指定校推薦で大学に進学できることと、その大学でやっていけることは別の問題です。18歳人口の減少で広がった指定校推薦枠により、適性や意欲とは関係なく進学する学生が増え、大学でのミスマッチ・退学・休学が増加しています。さらに2026年春、AIによる採用基準の変化で専門性のない大卒の就職はさらに厳しくなっています。

【補足:この記事が問題にしている指定校推薦とは】

ひとつ、大切なことをお伝えします。

指定校推薦のすべてが問題なわけではありません。志望校の指定校推薦枠を活かして、明確な目的を持って進学する学生も多くいます。

ここで問題にしているのは、18歳人口の減少で定員割れが進む中、大学が学生確保のために偏差値帯を下げてまで高校へ指定校推薦の枠を広げているケースです。高校側も大学進学実績を作るためにその枠を活用する。結果として、本人の適性や意欲とは関係なく「行けるから行く」という進学が増えています。

この記事は、そういう状況に巻き込まれている高校生と保護者に向けて書いています。

【この記事でわかること】

  1. 指定校推薦で行ける、でもそれはスタート
  2. 受験勉強をした人との決定的な違い
  3. 大学で起きていること
  4. 卒業しても就職は厳しくなっている
  5. 「売り手市場」は本当か?同じ春に起きていたこと
  6. 今、親子で考えなければ間に合わない
  7. 高校生一人では反発できない
  8. だから親子で一緒に読んでほしい
  9. 専門学校という選択肢

1.指定校推薦で行ける、でもそれはスタート

「行けるなら行っておこうかな」という気持ち、自然です。

高校から枠を提示されて、親も喜んでいる。その流れに乗るのは、おかしくありません。

でも「行ける」と「やっていける」は、全く別の話です。決める前に、親子で一つだけ確認してほしいことがあります。

2.受験勉強をした人との決定的な違い

受験勉強をして基礎学力を鍛えた人と、指定校推薦で事実上無試験で入った人では、スタートラインが全く違います。

大学は「自分で学ぶテーマを見つけ、自分で動く場所」です。基礎学力と学ぶ意欲がないまま入ると、最初から授業についていけません。

これは能力の問題ではありません。準備ができていないまま、準備が必要な場所に入ってしまうという構造の問題です。

3.大学で起きていること

指定校推薦で入学した学生のミスマッチが増えています。

「思っていたのと違う」「授業についていけない」「居場所がない」。そう感じても、辞めるに辞められず苦しんでいる学生が静かに増えています。

「大学に入れた」はゴールではなく、スタートです。 そのスタートでつまずく学生が、今確実に増えています。

👉 指定校推薦と大学退学の実態について【1】 【2】
👉 大学ミスマッチとは?原因と実態はこちら

4.卒業しても就職は厳しくなっている

なんとか卒業できたとしても、専門性の不足から就職活動は厳しくなります。

「大手がだめなら中堅・中小」と思っても、大手で弾かれた大卒が中堅・中小になだれ込むため、競争は上から順番にスライドしてきます。

「大卒」と名乗っても、専門性のない大卒に大卒の評価は得られない時代になっています。

Q.売り手市場なのに、なぜ就職が厳しくなるのですか?

A.売り手市場は「誰でも採る」ではなく「即戦力だけを採る」市場に変わっています。AIの登場で採用基準がゲームチェンジし、専門性のない大卒は大手だけでなく中堅・中小でも採用対象にならないケースが増えています。

5.「売り手市場」は本当か?同じ春に起きていたこと

テレビでは「人手不足」「売り手市場」「初任給上昇」というニュースが続いています。「就活は楽勝」と思っている親子も多いかもしれません。

でも同じ2026年春、別のニュースも報じられました。

パナソニック・クボタ・サントリーなど大手企業が新卒採用を大幅に削減。背景は不景気ではありません。AIの登場による採用基準のゲームチェンジです。

企業が求めるのは「大卒かどうか」より「何ができるか」に変わりました。売り手市場は「何でもいいから採る」ではなく、「即戦力だけを採る」市場に変わっています。

指定校推薦・事実上無試験で入った大学を卒業しても、採用対象にすらならないケースが出始めています。これは大手だけの話ではなく、中堅・中小にも時間差で波及します。

6.今、親子で考えなければ間に合わない

4年後、AI化はさらに加速しています。「大学に行けば何とかなる」が通用しない時代は、すでに始まっています。

今気づいて、今検討して、今家族会議を開くことが重要です。

指定校推薦の返事をする前が、唯一の判断のタイミングです。

7.高校生一人では反発できない

高校から勧められて、親も喜んでいる。

その状況で「行きたくない」「合わないかも」と言い出せる高校生は、ほとんどいません。

だからこそ、親が「本当にこれでいいか」と一緒に考える姿勢を持つことが、何より重要です。

8.だから親子で一緒に読んでほしい

進路は「親が決める」でも「子どもに任せる」でもなく、一緒に考えるものです。

「行けるから行く」ではなく「何を身につけて社会に出るか」を二人で話し合ってほしい。

最近の親子はフラットな関係です。だからこそ、一緒に考えられる。それがこの記事を親子で読んでほしい理由です。

「何を身につけて社会に出るか」を考えたとき、選択肢は大学だけではありません。受験勉強をしなかった、特定の分野への興味がある、スキルを身につけて確実に就職したい。そういう人に向けて、専門学校という場所があります。大学とは根本的に違う環境です。

9.専門学校という選択肢

専門学校は「学生が選手で、先生がコーチ」です。

ゴールは最初から決まっています。資格を取る、スキルを身につける、就職する。学校全体が、そのゴールに向けて一緒に動きます。大学のように「自分で動かなければ置いてきぼり」にはなりません。

企業からオファーが来る就活ルートがあり、就活迷子になることもありません。指定校推薦と同じように、専門学校にも推薦入試があります。

まずは、どんな分野があるか親子で眺めてみてください。「これ、ちょっと気になる」が見つかれば、それが二人のスタートです。

👉 専門学校と大学どっちが向いている?はこちら
👉 高校生が大学から専門学校に進路変更する方法はこちら

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指定校推薦を断ることへの不安があるなら

断ることへの不安もあると思います。

でも大事なのは「行けるから行く」ではなく「自分に合っているか」です。

親子で一緒に、選択肢を広げてみてください。その一歩が、4年後の大きな違いになります。