子供が大学を辞めたいと言ったら|親の気持ちと7つの対応

子どもが大学を辞めたいと言ったら、親はどう対応する?

「大学を辞めたい」と言われた時、親の心は揺れ動きます。
この記事では、親自身の気持ちを整理しながら、子どもに寄り添う7つの具体的な対応方法をご紹介します。

まず知っておきたい現実

大学退学者:年間6万人
大学休学者:年間6万5000人

これは「大学ミスマッチ」という社会問題です。私立大学の6割が定員割れで「大学入試が手続き化」した結果、入学後に「合わない」と感じる学生が増えています。決して特別な話ではありません。

早めに適性がわかって、むしろ幸運
急に気持ちを切り替えるのは難しいかもしれませんが、今の大学・学部に合わなかったのには理由があるはずです。子どもの気持ちになって、これからについて一緒に考えていきましょう。

親の気持ちを整理する

大学中退は、親にとっても大きな出来事です。多くの保護者が次のような気持ちを抱きます:

  • ショック・驚き:「まさかうちの子が」と信じられない気持ち
  • 不安:「この先どうするのか」「就職できるのか」という将来への心配と世間体
  • 怒り・悲しみ:「せっかく入ったのに」という気持ちと、子どもがつらい思いをしていたかもしれない切なさ
  • 自責の念:「もっと早く気づいてあげれば」と自身を責める気持ち

保護者様のお気持ちは十分に理解しています。しかし、高校の進路指導にも問題があると指摘されています。今の大学・学部に合わなかったのには何か理由があるはずです。子どもの気持ちになって、これからについて一緒に考えていきましょう。

親として実践すべき7つの対応

1. まずは落ち着いて、子どもの話に耳を傾ける

  • 頭ごなしに否定しない:話をしてくれただけでも立派です。素直さ・正直さを認めてあげましょう
  • 感情的な反応を抑える:本人も気持ちの整理ができていない状況です。冷静に、落ち着いて話を聞いてください
  • 子どもの気持ちに寄り添う:親に伝えるのも勇気が必要です。指定校推薦の場合など、親や高校に迷惑をかけたと自分を責める人もいます

2. 「なぜ辞めたいのか」その理由を丁寧に聞く

主な退学理由:

  • 学業不振:授業が難しい、思った内容と違う(大学ミスマッチで増加中)
  • 人間関係の悩み:友人関係、その他の人間関係
  • 将来への不安:単位不足、進級や卒業できないかもという不安
  • 経済的な理由:学費の負担、アルバイトがきつい
  • 家庭の事情:家族のトラブル、介護の必要
  • 金銭トラブル:マネーサークルによる詐欺、投資詐欺、ローン契約
  • 大学生活とのミスマッチ:そもそも大学進学をしたくなかった
辞めたい理由は一つではない場合も多い
本人も「何が本当の理由なのか」わからなくなっています。「なぜ辞めるのか?」と問い詰めると行き場を失ってしまいます。ゆっくり、直接、話を聞いてあげて、一緒に気持ちを整理してあげてください。
金銭トラブルの場合は要注意
内容によっては警察に相談が必要です。優しく、静かに、丁寧に話を聞いてあげてください。

3. 辞める以外・辞めた後の選択肢も一緒に考える

選択肢の例:

  • 休学:年間6万5000人が選択。一度、大学を離れて見つめ直すことができます
  • 専門学校に入学:年4万人の社会人・大学中退者が入学(専門学校全体の4人に1人)。資格取得・知識・技術を高める道
  • 他の大学に入学:今の学部・学科に合わないなら、他の大学も選択肢
  • 就職する:人材不足のため求人数は豊富。やりたい仕事に出会えるかもしれません
「仕事観」を考えると進路が見えてくる
「何となく大学」「とりあえず大学」だった人は、「仕事観」が整理されていないことが多いです。「資格を活かした仕事」「医療の仕事」「制服の仕事」など、どんな仕事?を考えると「就職」「再進学」が見えてきます。
「他にやりたいことがあれば、今からでも遅くないから」と励ましてあげてください。

4. 子どもの意見を尊重する

  • 親の価値観を押し付けない:その大学だけが子どものキャリアではありません
  • 子どもの自主性を尊重:「こういう道もあるのでは?」とアドバイスしてあげてください
  • 最終的な決断は子どもに委ねる:自分で選ぶ経験が責任感を育みます

5. 経済的なサポートも含め、今後の計画を話し合う

  • 再スタートの学費負担:親としてどこまでサポートできるか話し合いましょう(奨学金利用中の場合は停止手続きが必要)
  • 生活費の援助:アルバイトも含めて、今後の生活を話し合いましょう
  • 情報収集:他の大学、専門学校などの情報を子どもと一緒に調べましょう

6. 精神的なサポート体制を整える

  • 情報収集:ネットや書籍で子どもと情報を共有する
  • 子供の心の支え:常に味方であること、信じていることを伝える(これに勝るものはありません)
  • 家族、親戚や友人との連携:身近な人で相談できる場合、遠慮せずに相談しましょう
うつ状態を感じたら、かかりつけの「内科」で大丈夫
心療内科やメンタルクリニックを思い浮かべると思いますが、かかりつけの「内科」でも相談できます。初期段階の相談窓口としてハードルも低く、安心して受診できます。

7. 親として子どもを信じる

  • 子どもの成長を信じる:親の信頼が子どもの自信につながります
  • 退学は失敗ではない:自分に合わない道を降りることも進路です
  • 可能性は無くならない:早い段階で適性がわかってよかったと考えましょう
  • 味方でいることを伝える:「大丈夫だよ」「信じてるよ」この一言で子どもは救われます

大学を辞めた後の3つの選択肢

選択肢 メリット 現実・注意点 就活の特徴
高卒で就職 すぐに社会経験を積める 選べる職種が限定される場合がある 人材不足のため、仕事を選ばなければ就職は可能
他の大学へ 大卒の肩書で就職の選択肢を広げる 大学への抵抗感・違和感。卒業まで学費と生活費が必要 学生が1社ずつエントリーシートを提出する「売り込み型」
専門学校 国家資格・技術習得で新卒就職。最短2年 「仕事観」を意識した再進学。卒業まで学費と生活費が必要 学生1人あたり十数社の求人依頼が届く「オファー型」
専門学校の実情
  • 大学中退・社会人など「高校既卒者」が4人に1人
  • 授業の進め方は高校に近いイメージ
  • 学費の分割も可能(半期、毎月など)
  • 奨学金の再利用も可能
  • 専門学校卒業後、大学編入も可能(3年次または2年次編入)

親として忘れないでほしい5つのポイント

  • 子どもの気持ちに寄り添い、頭ごなしに否定しない
  • 辞める理由を具体的に聞き出し、解決できる方法を一緒に考える
  • 辞めた後の選択肢を共有して、子どもの意思を尊重する
  • 経済的なサポートを含め、今後の計画を具体的に話し合う
  • 精神的なサポート体制を整え、子どもの成長を信じる

大学を辞めることで、全ての可能性が無くなることはありません

安心して前を向いて踏み出せるよう、優しく背中を押してあげてください。
子どもにとって本当の支えになれるのは親だけです。