大学の年内学力入試で進む、新たな「大学ミスマッチ」!?

入りやすさだけで進路を決めると、あとでしんどくなるかも

最近、大学では指定校推薦の枠がどんどん広がっています。
「え、こんなに簡単に決まっていいの?」と思うほど合格しやすい大学も増えてきました。「事実上、入試が手続き化」しています。

  • 早期に進路を決めて安心したい
  • 勉強が苦手でも大学に行けるならそれでいい

すでに、指定校推薦の退学者が問題に

その結果、目的がはっきりしないまま進学する人が増え、入学後に合わなくて退学してしまうケースが問題になっています。
「とりあえず行ける大学に行く」
という進路選びが増えているからです。

本当は、こうしたミスマッチの原因をしっかり考え直すべきなのですが、現状ではそこはあまり改善されていません。
そのかわりに大学側が進めているのが、“年内学力入試”という新しい制度です。

一見すると、「推薦でもちゃんと学力を見るようになった」という感じがしますよね。
でも実際は、「学生の早期囲い込み」が目的です。

年内学力入試って、実はそんなに厳しくない

年内学力入試は「推薦や総合型選抜の人にも学力を確認する」という名目で始まったものです。
ところが、多くの大学が導入しようとしているのは、

  • 簡単な基礎問題だけ
  • 短時間で終わる入試
  • 合格する前提での“形だけ”のチェック

といった内容。

自分の適性と将来を冷静に見つめ直す機会

簡単ならそれでいいじゃない?と思う人も多いと思います。

大学のレベルがもっと見えにくくなるだけです。
年内学力入試が導入されても、実質的なFランク大学はなくなりません。

入試制度が変わっても、社会や企業からの評価は変わらないのです。

今の指定校推薦の乱発で退学者が増えている状況と同じ、ということなんです。

「入れるから行く」は危ない。合わないと、本当にしんどい

指定校推薦や総合型選抜は、早く決まりやすくて魅力だと思います。
でも、目的があいまいなまま進学すると、入ったあとに苦しくなることも多いです。

たとえば、

  • 授業が思っていた内容と違う
  • モチベーションが続かない
  • そもそも何を学びたかったのか分からなくなる
  • 単位が取れずに留年・退学

こういう話は珍しくありません。

大学は、自ら積極的に学べないとキツイ場所

実際に、「入りやすい大学ほど、入学後が大変」ということも起きています。

年内学力入試があっても、それは“入り口を整えただけ”
大学の中身が自分に合うかどうかは、やっぱり自分で考える必要があります。

ミスマッチを防ぐために、高校生と保護者ができること

進路選びで失敗しないために、今のうちにできることはいくつかあります。

① 「入りやすさ」ではなく「中身」で選ぶ

  • どんな授業があるのか(専門性と内容です)
  • 卒業生はどんな仕事に就いているのか(就活は手あたり次第エントリー)

こうした“中身の情報”を見ると、その大学が本当に自分に合うか分かりやすいです。

② 専門学校や短大も比較してみる

「大学に行く=正解」ではありません。
「大学は学ぶ学科を自分で選んで履修する場所」です。
「専門学校は、カリキュラムに沿って学ぶ場所」です。
専門学校の実習が多い環境が合う人もいれば、大学でじっくり学びたい人もいます。

  • どんな授業があるのか(専門性と内容です)
  • 卒業生はどんな仕事に就いているのか(就活は新卒でもスカウト型)

選択肢を広げると、本当に自分に合う道が見つかりやすくなります。

③ 自分の気持ちを言葉にしてみる

「何がしたいか分からない」
「うまく言葉にできない」(本当のことを言い出せない)
「なんとなく不安」(本当に学びたい分野なのか)
こうした気持ちを放置すると、ミスマッチにつながりやすいです。

親や友達に話してみるだけでも、整理が進んでいきます。
本当の気持ちを大切にしてください。

まとめ

指定校推薦が広がり、年内学力入試が導入されることで、大学はこれまで以上に「入りやすい」場所になっています。
でもその反面、自分に合わない大学を選んでしまい、あとでつらくなる人も増える可能性があります。

だからこそ、
入れる大学”ではなく、“自分に合う進路、続けられる進路”
を探すことがとても大事です。

早く決めた人が勝ちじゃないのが進路

焦らなくて大丈夫。
進路は“早く決めた人が勝ち”ではなく、
“納得して選んだ人が強い”世界です。

あなたに合う道は、あなたの気持ちと、ずっと前からつながっています。

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