大学の指定校推薦は冷静にご判断ください
資質・意向に沿う進学を
背景にある私立大学6割の定員割れ
募集定員に満たない、学生募集に苦戦している大学では一人でも多くの学生を確保するため、指定校推薦、総合型選抜(AO)を積極的に行っています
※入試の手続き化により簡単に入学できる結果、授業についていけない学生も
指定校推薦とは
大学が特定の高校に対して推薦枠を提供し、その枠に応じた生徒を高校側が推薦する制度です。推薦された生徒は、一般入試に比べて合格の可能性が高い傾向にあります
※表向きには「特定の高校」とされていますが実際は「大半の高校」です
※「指定校推薦」に合格した時点で進路変更はできなくなります
大学進学実績を上げたい高校の裏事情
高校側は大学進学実績を上げたいという思惑があります。大学実績が増えれば、高校の学生募集でPRできるからです
※高校生と保護者にとっては、指定校推薦のメリット・デメリットを十分に理解した上で慎重に判断することが重要です

校内選考のからくり
大学指定校推薦に向け出願の権利を得る「校内選考」があります
一般的な選考内容・評価基準は以下のとおりです
1.学業成績(評定平均)
最も重視される要素です
大学ごとに「評定平均●以上」と条件があるため、基準が高い方が有利です
多くの大学で最低、3.5~3.8以上を求められることが多いです
(実際、この基準は崩壊しています)
Fランク大学では、最低3.0~3.5以上が多いです
(こちらも、基準は崩壊しています)
大学や学部によっては2.0台後半でも出願可能な場合があるようです
| 評定平均値 | 学習成績概評(文科省が定める5段階) |
| 5.0~4.3 | A |
| 4.2~3.5 | B |
| 3.4~2.7 | C |
| 2.6~1.9 | D |
| 1.8以下 | E |
ほかにも
2.出席状況 ※(以下欠席日数についてで補足)
3.生活態度・校内活動
4.志望理由書・自己PR
5.面談・面接
6.希望学部と適性
などが主な選考内容とされていますが、評定平均については、2.0台でも出願できている場合があるので、「校内選考の段階から手続き化」しています
保護者の立場では
「どんなからくりがあろうが、大学に入れた方がいい」という人が多いのですが
中学時代、高校時代に「勉強が苦手だった人」が、「入れそうな大学」に進学して「こんなはずじゃなかった」と大学を辞める人が増えています
入りやすさと進級・卒業は違うことを、冷静にお考えください
※欠席日数について
一般的には、年間5日以内、多くても10日程度とされています
欠席が30日以上の場合、推薦対象から外れるケースが多いでしょう
ただ、例外として考慮されるケースもあります
1.病気やケガ、精神的な理由など正当な事情がある場合
医師の診断書や学校での面談記録などがあれば考慮対象になることがあります
2.学外活動による欠席(芸能・スポーツ活動など)
特別活動として加点対象になるケースもあります
3.学校長や担任の強い推薦がある場合
欠席理由と本人の誠実さ、学業成績などが高く評価されていれば、可能な場合も
対処方法としては
・欠席理由がある場合は、記録や証明を準備しましょう(診断書など)
・進路指導の先生や担任に早めに相談し、指定校推薦の可能性を確認しましょう
・指定校推薦が難しい場合でも、総合型選抜(旧AO)という別の道もあります
欠席が30日以上のまとめ
| 欠席の状況 | 推薦される可能性 |
| 欠席理由が明確で、やむを得ない | ◎ 高い |
| 欠席はあるが、評定平均が高い | 〇 可能性あり |
| 欠席理由が不明で、生活態度も不安定 | × 難しい |
高校の三者面談の事例
高校側から
「〇〇大学なら指定校推薦で行ける」
「勉強は、後期頑張れば何とかなる」
このような話を切り出されることが多々あります
保護者の多くは
「うちの子が大学に行けるのなら、ぜひお願いします」
という反応だとお聞きしています
早期に進路を決めて安心したいお気持ちはわかりますが
一度持ち帰り冷静に時間をかけご家族でご検討ください
三者面談で確認すること
指定校推薦の基準
高校がどのような基準で推薦者を決定するのか確認することをおすすめします
保護者の立場では、大学に入れた方がいいのですが、お子様の成績がその大学・学部に相応しいのか、続けられるのか、よくご相談ください
大学の指定校推薦の要件
その大学の定めている指定校推薦の要件を確認することをおすすめします
どの大学も、「評定平均●以上」としていますが、お子様の成績はいかがでしょうか?隔たりがある場合、大学に入学したあとで、本人が悩むことになります
大学の情報収集
その大学・学部の教育内容、カリキュラム、就職実績などを調べ、自分に合った大学か慎重に検討しましょう
保護者との話し合い
指定校推薦のメリット・デメリットを共有し、納得できるまで話し合いましょう
「今ならこの大学に行ける」は冷静にご判断を
私立大学の6割が定員割れの状態です
学生募集に苦戦している私大は、より多くの学生を獲得するために、各高校に対して「指定校推薦」など入試を手続き化して提示している背景があります
高校は大学進学実績を作りたい事情があります
大学から提示された「指定校推薦枠」に基づいて「今ならこの大学に行ける」と三者面談で保護者に提案する流れです
大学で大丈夫?→専門学校がある
【とりあえず大学ではない、専門学校という選択肢】
「就職ミスマッチ」があるように「大学ミスマッチ」だってあります。進学目的がはっきりせず、モヤモヤしたまま大学に行って辞める人が増えています。
【AI時代の就職、知っていますか?】
企業が求めるのは「○○大学卒」ではなく「◎◎ができる人」。
資料作成や企画書はAIに任せる時代。求められるのは、AIを使いこなす/AIに代替されない専門スキルです。
【メンタル面でも専門学校が有利】
大学で見られる「授業についていけない」「置いてきぼり」がない。
少人数制で面倒見がよく、資格取得まで手厚くサポート。
就職も企業から学校に求人が来るオファー型で、一人で悩む必要がありません。
指定校推薦のメリット
合格の可能性が高い
一般入試よりも合格率が高く、早期に進路を決定できる安心感があります
受験準備の負担が少ない
一般入試のような学力試験対策に時間を費やす必要がありません
指定校推薦のデメリット
進路選択の幅が狭まる
指定校推薦は基本的に専願制のため、他の大学や専門学校を受験することができません
入学後の学力差
一般選抜で入学した学生との間に学力差が生じる可能性を指摘されています
入学後のミスマッチ
大学の教育内容や雰囲気が合わないと感じても、簡単には辞退できません
※高校から、大学で4年間やり遂げる念を押されて進学
※辞めると次年度から指定校推薦枠が減ると念を押されて進学
モチベーションの低下
一般入試のような競争を経験しないため、大学入学後の学習意欲が低下するケースもあります
高校の思惑に利用されるリスク
大学進学実績を上げたい高校側の思惑で、生徒の資質・意思とは異なる進路選択を促される可能性があります
※指定校推薦の枠は「応募の少ない学科」と思ってください
その大学・学科は本当に行きたい分野ですか?
今一度、冷静にお考えください
大学で4年間、その分野について幅広く・自ら学びたい学科を選択して学習を続けることをイメージしてください
高校と異なり、いちいち手取り足取り面倒見よくサポートはしてくれません
学びたい人が自ら学ぶ、大学はそういう場所です
本当に学びたい分野でしょうか?
「何となく大学に行けるなら大学に行った方がいい」と進学して、大学に馴染めずにいる人がとても増えています
保護者も交えて冷静に判断してください
大学を退学・休学する人は年間12万5000人
大学ミスマッチ
大学を退学する人は年間で6万人います
退学者とは別に、休学者も6万5000人います
つまり、年間12万5000人が、離脱しているのが現実です
本来はマスコミで大きく取り上げられるべき「社会問題」です
募集に苦戦している大学では
一般入試を経た学生に比べて、年内入試(指定校推薦・総合型選抜)で入学した学生の中退率が大幅に高いことが指摘されています
国立大や公立大学に比べて、私立大学の退学率が高い傾向にあります
理工系学部に比べて、文系学部の退学率が高い傾向にあります
学年別では、大学1年生、2年生の退学率が高い傾向にあります
早い段階での学生生活への不適応や、学業不振が原因となることが多いようです
退学後の選択は、別の大学へ編入学、専門学校入学、就職などです
保護者としての注意点
多くの保護者様は「大学に行ける」と聞くと「うちの子が大学に行けるならどこでもいい」という気持ちになることが多いようです
高校の言いなりにならない
高校の進路指導を鵜呑みにせず、主体的に情報収集を行いましょう
子どもの資質・意思を尊重する
子どもの適性や希望を第一に考え、進路選択をサポートしてください
長期的な視点を持つ
大学進学だけでなく、その後のキャリアプランも視野に入れてお考えください
大学に合う人・合わない人は必ずいます
学力的、資質的に、自ら学科を選択して必要な単位を取得する大学の学び方に合わない学生もいます
合わない学生が大学に進学した場合、どうしても馴染めず行き詰ってしまう人が増えているのが現実です
保護者様におかれましても冷静にご判断いただきたいと思います
新たな視点で見る専門学校
「とりあえず大学」で後悔する人は、意外と多いんです。大事なのは「どこに行くか」より「何を学ぶか」「何ができるようになるか」。専門学校という選択肢、どんな分野があるか一度見てみませんか?
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