専門学校の就職率は大学より高い(文部科学省データより)
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専門学校の就職率について「就職希望者のみ集計しているから就職率が高い」「100%は本当?」など、いろいろ言われますが、就職率が高いのにはちゃんと理由があるのです。
それは、その時代において「求められる人材を輩出している」からです。これについては後で詳しく触れます。
まずは以下のグラフをご覧ください。平成27年度文部科学省の「学校基本調査」の新卒者の就職率統計です。2001年から2015年まで、専門学校、短期大学、大学の新卒者の就職率の集計で、日本で最も信頼おけるデータです。集計方法は「全就職者÷全卒業者」。つまり、全卒業者のうちどれくらい就職しているのかというとてもシンプルなデータです。
グラフは「青の◆が専門学校」「赤の■が短期大学」「緑の▲が大学」です。専門学校が安定して高い就職率を維持していることがわかります。最新の2015年3月卒者のデータでは、「専門学校卒者81.8%」「短期大学卒者78.1%」「大学卒者72.6%」となってます。
新卒者の就職率推移
平成27年度文部科学省「学校基本調査」より
最新データ(2015年3月卒業者) | 就職率(全就職者÷全卒業者) |
専門学校の新卒者就職率 | 81.8% |
短期大学の新卒者就職率 | 78.1% |
大学の新卒者就職率 | 72.6% |
重要なのは、希望業界への就職率
よく就職率にクローズアップされますが、大切なのは「希望業界への就職率」です。今、人手不足なのでどの業界も優秀な人材を求めています。極端な話、何の仕事でもよいのであればほぼ就職できます。
でも、専門学校や大学を出て就職する場合、多少なりとも希望分野があるはずです。
たとえば、ホテルの専門学校の場合、求人票はほぼ「ホテル業界」からのものです。
このようにある分野を希望する場合、専門学校の方が「業界からの求人依頼が圧倒的に多い」のは事実です。
企業の大学フィルターって?
大学卒業者の就職活動では「学歴フィルター(大学フィルター)」が問題になっています。
最近は大学名だけでなく、高校名にも学歴フィルターがかけられるようになっているようです。
その理由はAO入試などで入った学生は基礎学力が低いケースが多い」からだそうです。大学名でフィルターをかけても、AO入試や推薦、附属校からのエスカレーター学生などが混じっており、企業は新たな判断軸として高校名を見るようになっています。今は、大学さえ出れば大丈夫ではないのです。
2020年以降にも対応している
2020年東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。観光立国を掲げている日本は、2020年に外国人の旅行者4000万人を目標にあらゆる需要拡大が見込まれています。2015年の外国人旅行者が約2000万人でしたので2倍です。
それに伴い、建築業界、ホテル業界、観光業界、語学分野、飲食分野などで大きな需要を見込んでいます。
専門学校では、学科の新設や増設、定員数の変更など大学よりも短期間で可能なので、このようなニーズにすぐに対応することができるのです。
また、専門学校では、企業などと連携してより実践的なカリキュラムを用意しているので常に即戦力を輩出できる体制が整っています。
ですから、どの時代でも社会に出て必要とされる、活躍できる人材を育成することが可能となります。その結果、必然的に就職率が高くなっているのです。